大分トリニータ戦、北海道コンサドーレ札幌戦と巧みに選手のローテーションを行ってきた川崎の鬼木達監督。この日は、同じように上位対決だった3節前のガンバ大阪戦とまったく同じ11人をスタメン起用しました。

立ち上がりは瀬古歩夢のロングボールをはじめ、マイペースなセレッソに手を焼きました。7分には丸橋祐介に抜け出され、ジェジエウ、谷口彰悟の間を通すスルーパスを出された上、ブルーノ・メンデスにゴールを割られてしまいます。

ただ、今の川崎は先制されたからといって簡単には崩れません。リズムがつくりにくい中、松田陸のハンドで得たフリーキックを生かします。ペナルティエリアの角付近だったため、いつものようにクロスを入れるかと思われましたが、脇坂泰斗は直接ゴールを狙いました。同点です。

2点目は川崎らしさが出た攻撃によってもたらされます。相手選手がいる中央に窮屈なパスを通してミドルゾーンへ進出。これまでブロックの外を回す傾向が強かったため、効果的な攻めとなりました。そこから前線にいた山根視来へと渡り、山根はマイナスのパスを選択。ボールを受けた家長昭博が倒されてPKを得ます。

これを家長が決めて逆転に成功しました。

53分、ハーフタイム明けの早い段階で小林悠が追加点を挙げます。大島僚太が空間を生かしたパスを小林に供給。小林は一旦後方に落とすも、最終的に自分のもとにボールが来てそれを蹴り込みます。

直後にフリーキックから失点して、再び1点差となり試合の緊張感が増しますが、ゴールに向かう迫力は衰えることなく、途中投入された三笘薫、レアンドロ・ダミアンが結果を残してリードを広げました。

スコアが5-2となってからは、相手陣内で速くて短いパスを連続してつなぐ川崎の真骨頂が見られるなど、余裕を持ったプレーが出るようになりました。

川崎は近年相性の悪かったセレッソを下して、リーグ新記録となる10連勝を達成。得点力のすさまじさ、試合を引っ繰り返せる力強さを見せつけての記録です。