先制点を取るまでは苦労しました。当初ゼロトップを務めていたチャナティップ・ソングラシンが、アンカーの守田英正を見ていたように中盤をマンマーク気味にしており、ミドルゾーンへのボールの出しどころが見つけにくい状態でした。

必然的にそのエリアで引っかかる場面が多く、どうにか突破したときも宮代大聖や旗手怜央がえぐってレアンドロ・ダミアンに合わせましたがゴールには結び付きません。

35分、脇坂泰斗のフリーキックをフリーになった車屋紳太郎が頭で押し込むと、チーム全体にタイトなマークを外す動きが出てきます。選手の動きが活発になり、パスの角度・速度もよくなり、苦しんでいたのが嘘のようになりました。

さらに後半開始から10分のうちに三笘薫とレアンドロ・ダミアンが追加点を挙げ、完全に川崎ペースとなります。

3点のビハインドを背負うこととなったミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、3バックの進藤亮佑、福森晃斗を下げて、大胆に攻撃にシフトした選手交代をします。結果、それまでほど強くはなくなった札幌の最終ラインを川崎が容赦なく突いていきました。

そこで起点になったのが守護神、チョン・ソンリョンでした。精度の高いロングキックが前線に収まり、三笘、小林悠がゴールを決めます。小林はジュニーニョの持つクラブの通算得点記録を遂に更新しました。

最後まで手を緩めない川崎は、タイムアップ直前にも相手陣内でボールを奪い返して最終的には小林がチームの6点目を奪いました。

ジェイ・ボスロイドとアンデルソン・ロペスが入り、迫力を増した札幌に1点を許しはしましたが、試合そのものは圧勝。順調に首位をキープしました。