互いに現時点で選択できるベストの11人を送り込んでぶつかった一戦でした。

前半キックオフの笛が鳴る前の両者の立ち位置は、横浜も高いライン設定をしてはいたものの、シティのそれはさらに圧縮された10人のフィールドプレーヤーの並んでいる姿でした。こうした小さな差の積み重ねがシティの順当な勝利につながっていったとも考えられます。

シティの攻撃を支えたのは、ケビン・デ・ブライネでした。負傷に悩まされる期間が短くなれば、今シーズンもさらなる貢献が期待できるトッププレーヤーですが、この日の立ち上がりは決して万全とは言えないピッチコンディションに悩まされていたようでした。

それでもすぐにアジャストして、本来の持ち味を発揮。1ゴール1アシストの結果を残しました。

先制点は一見リスキーかつ脆弱なようで容易には大惨事に至らない朴一圭のところを狙って生まれます。クラウディオ・ブラボが流れの中でボールを保持している際、一気に横浜ゴールめがけて蹴ってしまうことも可能なほど朴一圭は高いポジションをとっていました。

さすがにそこまで大胆な選択はしなかったものの、前線のベルナルド・シウバを経由して、デ・ブライネに任せる形をとります。デ・ブライネは右足を切りに来た畠中槙之輔の逆をとり、左足で強烈なシュートを叩き込みました。左右両方を遜色なく使いこなせるがゆえのプレーで、切り返した瞬間に畠中はもうどうすることもできませんでした。

シティの2点目もデ・ブライネがドリブルスタートと見せかけてスルーパスを通し、ラヒーム・スターリングが朴一圭との1対1を冷静に対処して奪いました。このゴールが入る前にハーフウェイライン付近からのリスタートを起点にシティのライン間を突かれた波状攻撃で遠藤渓太の同点弾を許していたため、プレミア王者は再び勝ち越しに成功します。

その後のデ・ブライネはピッチを退く時間が近くなるころには左ウイングの位置でゆったりと歩くなど疲れの色が隠せなくなっていましたが、それまでは中盤で急激に速度を変えたドリブルを披露したりと随所で好プレーを見せました。

親善試合ではありましたが、ペップ・グアルディオラ監督は後半15分まで選手交代を見合わせました。そこで下げたのはベテランのダビド・シルバと、得点欲しさにやや強引な個人プレーに走りがちだったレロイ・サネの2人だけでした。代わりにイルカイ・ギュンドアン、フィル・フォーデンを送り込み、戦力は落としません。

リバプールとのコミュニティシールドを約1週間後に控える中、後半30分以降、ようやくデ・ブライネをはじめ主力が下がって代わりに多くの背番号の重たい選手が出てきました。それでも後半アディショナルタイムに1点を決めて試合を決定づけます。

横浜は序盤になかなかペナルティボックスに入れず苦労していて、三好康児がカイル・ウォーカーとの1対1で難なく負けるなどしましたが、1点取れたことで選手全員が場の空気にも慣れ、周囲をきちんと見られるようになってきて、複数の選手が動いて空いているところにボールが出るようになりました。

またウイングの仲川輝人と遠藤にシティのサイドバックよりもさらに外側のポジションをとらせ、彼らを生かした効果的な攻撃もできるようになります。

ただ、いかんせんフィニッシュの精度が足りず、ゴールの枠の中に蹴り込めば得点という決定機を3、4回つくりながらブラボの好守もあって決められませんでした。あのあたりのコントロール、冷静さが高まっていれば、このフレンドリーマッチはどうなっていたかわかりません。

同じ方向を進んでいると言われる両チームですが、横浜には現体制、アンジェ・ポステコグルー監督のもとでのタイトル獲得がもう一歩先へと進むために必要なのかもしれません。