記憶に残る、印象的なゴールを叩き込んだのは神戸のダビド・ビジャでした。ただ、試合に勝ったのはホームの清水です。この結果によって両者の順位は入れ替わっています。

ゲームのカギを握るアンドレス・イニエスタはセンターハーフとしてプレーするも、マンマークではないものの対峙するヘナト・アウグストに監視されている時間が長く、巧みなボールコントロールでいなすシーンもありましたが、簡単には前方への良質なパスを供給できずにいました。

清水は高い位置での守備に固執することなく、神戸のビルドアップが進みだすと自陣でブロックを形成。神戸はやや手詰まりとなり、攻撃面でイニエスタと古橋亨梧、郷家友太との効果的な絡みが少なくなり、山口蛍は比較的守備に専念。ウェリントンがトップ下に下がる場面もあまりないことから、アタッキングサードへの勢いをもっての進入が難しくなっていました。

先制点は、守備にメリハリのあった清水の迫力あるカウンターから生まれます。

まずドウグラスがFC東京のディエゴ・オリヴェイラとはまた違ったタイプの力強いドリブルで突破。宮大樹が振り切られたあとの山口のタックルはファウルにもならず、それを見たダンクレーは北川航也のマークを捨てて止めに行きました。ドウグラスはぶつかられながら冷静にダンクレーの股間を通すパスを出し、フリーになった北川が得点を挙げます。

それでもわずか3分後、古橋がセンターサークル付近から浮き球のボールを入れ、反応したビジャはファン・ソッコをブロックし、やや流れたボールをダブルタッチで処理。一瞬のうちに右足で西部洋平をかわし、左足でシュートを打つ芸当を披露しました。

高いテクニックで同点に追い付いた神戸でしたが、清水との関係は試合を通じて劇的には変わりません。機を見てイニエスタが相手陣内深いところまでドリブルで迫っても、初瀬亮とのコンビネーションが合わなかったりして、決定機には至りませんでした。

試合を決めたゴールは、神戸の選手の油断が大きな原因でした。二見宏志の伸びのあるロングスローに対してボールウォッチャーになり、もっとも警戒すべきドウグラスへのケアを怠ったことで失点してしまいました。

このときのミスが命取りとなり、神戸は追い付くことさえできませんでした。小川慶治朗、田中順也を入れ、システムを変えて打開を図りはしましたが、攻撃の活性化とまではいきません。強引なロングボールを繰り出すこともないまま、試合終了のホイッスルが鳴りました。

次節はまたもアウェイ、下位に苦しむ湘南ベルマーレが相手です。泥沼にはまらないためにも連敗だけは避けなければなりません。