キックオフ直後から戦う姿勢をプレーで見せていたのは、ホームのブラジルの方でした。出場停止明けのカゼミーロとキャプテンのダニエウ・アウベスがそれぞれ激しさをもって守備をしていきます。今大会、試合を重ねるごとに状態が上がってきたアルゼンチンは、若干気圧されてしまいました。

試合前の準備が万端だったと思われるセレソンは、そのままの勢いで先制点に結び付けます。ダニ・アウベスが浮き球の処理でマルコス・アクーニャに勝ち、タックルに来たレアンドロ・パレデスをやり過ごしてフィルミーノにノールックパス。右サイドに流れていたフィルミーノが横方向のスルーパスを出し、最後はガブリエウ・ジェズスが押し込みました。

得点が生まれた約10分後、リオネル・メッシが目覚めます。距離のあるフリーキックでやわらかいボールを送り、それに合わせたセルヒオ・アグエロのヘッドはクロスバーをヒット。惜しくも同点にはならなかったものの、これをきっかけに背番号10が本来の持ち味を存分に発揮しだしました。

メッシを中心に、アルゼンチンが得意とする中央を打ち破る攻撃を繰り返します。ただ、攻撃を中盤でせき止めてくれるカゼミーロのいるブラジルは一筋縄ではいきません。いかんせんメッシの仕掛ける位置が低いこともあり、ボックスの中への進入は困難を極めます。メッシがエリアの中から放ったシュートもポストを叩きました。

リオネル・スカローニ監督は残り時間が30分となるところでアンヘル・ディ・マリアを、そのあとにはジオバニ・ロ・セルソを投入。攻撃に大きく舵を切る采配をします。

同点への道筋を用意したアルゼンチンでしたが、後半26分、ブラジルのカウンターの餌食になります。2対2の局面でガブリエウ・ジェズスが普段はチームメイトのニコラス・オタメンディを振り切り、体をひねってラストパスを送り、今度はフィルミーノが合わせてリードを広げます。

追い込まれたスカローニ監督はニコラス・タグリアフィコを下げて、パウロ・ディバラを選択。その前、2点目を許したあとからインサイドハーフではなくウイングの位置をとっていたディ・マリアに左サイドを全面的に任せることにします。

しかし、バランスを無視しての攻撃偏重となったため、スムーズな仕掛けができなくなり、この采配は裏目に出ました。一方、マルキーニョスにガブリエウ・ジェズス、さらには精彩を欠いたエベルトンに代わって出ていたウィリアンと負傷者が続出したブラジルは、より守備意識を強め、ボール保持ができるときには時計の針を進めるプレーを選びました。

結果、アルゼンチンの自滅もあって、難しくない流れに持ち込んだブラジルが決勝進出を果たします。開催国のプライドをもって、南米王者の座に輝くまであと1勝となりました。