レギュレーション上、準々決勝進出の可能性を残す引き分けだったとはいえ、この試合のようなパフォーマンスができるのならば初戦のチリ戦はもう少し違う結果に、少なくともあれほどひどい結果にならないようにできたのではないか。そう考えてしまうほど、見違えるような出来でした。

VARによるPKとコーナーキック、いずれもリスタートから得点を許した日本ですが、ディフェンス陣の貢献は非常に高いものがありました。ルイス・スアレス、エディンソン・カバーニという、いつでもそしてどこからでも強烈で精度の高いシュートを狙ってくる2トップを相手に、最後方の川島永嗣をはじめ、全員が最後まで集中を切らさないで戦っていました。

攻撃に関しては森保一監督が残り10分を切っても久保建英を投入する積極策をとったとはいえ、終盤はさすがにもう1点取って勝ち越す力は残っていませんでした。しかし、試合を通してチャンスの数では下回りながら、常に先手を取って大会最多優勝を誇るウルグアイを追い詰めました。

先制点は柴崎岳の大きなサイドチェンジから三好康児がドリブルで運び、ディエゴ・ラクサールに左を切られた中で右足を振り抜いて生まれ、2点目は中島翔哉、杉岡大暉で左サイドを攻め上がり、岡崎慎司がつぶれた先にサイドから中央に位置どった三好によってもたらされました。

後者の得点は岡崎のゴール前でのつぶれ方から、ワールドカップのセネガル戦の本田圭佑によるゴールを思い出させます。最前線の選手が徹底的に泥臭く詰め寄ることで価値あるゴールに結び付きました。

そうした中でこの試合もゲームに入り切れない選手がいました。中山雄太に代わってセンターハーフを任された板倉滉はビルドアップでミスパスを連発。スアレス、カバーニ、さらにはセンターハーフのルーカス・トレイラ、ロドリゴ・ベンタンクールに見張られる中でのプレーとはいえ、思ったほどうまく前につけられませんでした。

また最後の交代選手として入った上田綺世はプレータイム、さらに言えば攻撃に転じる時間が短かった点では同情の余地があるものの、前の試合の借りを返す意欲的なプレーを披露できませんでした。

ともあれ国内開催のキリンチャレンジカップではなく、公式戦でのウルグアイ相手の引き分けが本当に意味を成すかどうかは、次のエクアドル戦にかかっています。単発の結果ではなく、グループステージ3試合を通してのパフォーマンスと結果が、この先の東京五輪、さらにはカタールでのワールドカップにつながっていくのです。