後半のキックオフ。チェルシーの選手の多くがハーフウェイライン付近に立ち、まるで残り時間がわずかというところで1点ビハインドを背負ったかのような攻めの姿勢、走り出す態勢をとりました。そこからの最初の攻撃で仕留めることはできませんでしたが、自分たちで流れを引き寄せたチェルシーは後半4分にオリビエ・ジルーのゴールで先制します。

前半、3-4-1-2で入り、おなじみの4-3-3の形をとる相手にかみ合うシステムをとったアーセナル。守備ではビルドアップ阻害のために高い位置をとり、目の前の相手との距離を詰めることでチェルシーを窮屈な状態に追い込んでいました。

突破力、キープ力の高いエデン・アザールに対しては、ソクラティス・パパスタロプーロスだけではなく、ルーカス・トレイラも近づいて2人でプレーをさせまいとします。

それでもチェルシーは時間とともにその状況に慣れて主導権を握るようになり、アザール、ジョルジーニョ、ジルーとつながりフィニッシュにつなげました。ここは今シーズンで現役を引退するペトル・チェフが阻みます。前半をスコアレスで終えるまでは、アーセナルがチェルシーの攻撃を凌ぐことに成功しました。

均衡を破られてからは、得点を奪うべく前に出ていく姿勢を強めたアーセナルでしたが、その焦りが裏目に出て失点を重ねます。アザールが中央を冷静に見てラストパスを送り、ジルーの空けたスペースに走ったペドロ・ロドリゲスが冷静に2点目を奪い、その5分後にはアザールがPKで加点。チェルシーのリードは3点に広がります。

ウナイ・エメリ監督の選手交代は後手にまわり、システムを4-2-3-1に変更すべくマテオ・ゲンドゥージ、アレックス・イウォビを同時に送り込んだのはPKが決まったあとになってしまいました。

指揮官の期待に応える形でイウォビが豪快なシュートを叩き込み、試合の空気を変えかけたものの、すぐさまジルーの浮き球にアザールがきっちり合わせて再び3点リードとし、残り20分を切ったところで試合を決定づけます。

このまま推移した後半44分にはマウリツィオ・サッリ監督の決断により、憧れのクラブに行くためにチームを去るといわれるアザールが悠々とピッチを去る演出をも可能にしました。

地力の差を見せつけた形でチェルシーはヨーロッパリーグを制覇。プレミアリーグの中では実現できなかったUEFAチャンピオンズリーグ出場権の獲得を成し遂げたかったアーセナルを一蹴します。

試合後には前日にいさかいを起こしたとされるゴンサロ・イグアインとダビド・ルイスが厚く抱擁する場面もあり、晴れやかな表彰式となりはしましたが、チームの顔であるアザール、さらには以前からくすぶっていたサッリ監督の去就問題を抱えており、来シーズンの明るい見通しは立てにくい状況です。