メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ最初の60分は防戦一方に近い試合でした。マルタ、アドリアーナ、ベアトリーズ、デビーニャが4トップを形成するような形で、たびたびポジションを入れ替えるブラジルに対して、日本はサイドバックが容易に上がれる状況ではなく、主導権を握ることができません。

ディフェンスでは大賀理紗子や有吉佐織が最後のところで体を投げ出して難を逃れる場面もありましたが、中盤での中途半端なパス、そして自陣ボックス内で人数をそろえていながらどこか躊躇が見られるシーンが続いてしまい、はっきりしたプレーが少なくなっていました。

前半44分に有吉のスローインを起点に、ペナルティエリア手前でボールを受けた中島依美が巧みな切り返しで籾木結花のループシュートにつなげた先制点は、リスタートからのすばらしい流れでした。劣勢に立たされながら結果を出すという難しいミッションに成功します。

しかしハーフタイムをはさんでからのブラジルのギアを上げての猛攻を凌ぐことができませんでした。後半12分、デビーニャのゴールで同点に追い付かれます。デビーニャの前には3人の選手がいましたが、ブロックしきれませんでした。

事前の予定通りだったのか、その直後の後半13分に長谷川唯はじめ4人が一気に投入され、そこから少しずつリズムを取り戻し、さらに9分後、この日は精彩を欠いた宇津木瑠美に代わり杉田妃和が入ったことで、中盤から前線にかけての運動量がアップ。はっきりとそして正確にボールを動かせる杉田と長谷川を軸にして攻撃の組み立てが成立しだします。

そこへ先制点を奪った籾木が絡み、後半36分に小林里歌子、後半40分に長谷川と立て続けに得点を挙げて再びリードを広げました。両方のゴールシーンでセンターハーフの杉田もボールの近くにポジションをとっており、厚みのある攻撃ができていました。

守備では途中から入って右サイドを主戦場にしたジェイズの馬力あるドリブルに苦戦させられたものの、チーム全体としてブラジルには後半最初の10分強ほどの迫力はなく、失点を許すことはありませんでした。

その後の試合でアメリカがイングランドと引き分けたため、日本はトップに躍り出ました。最終戦は女子ワールドカップでの対戦を控えるイングランド。真剣勝負が控える中でお互いどこまで手の内を出すかが難しいゲームになりますが、自信を深めるには結果を残したい90分です。