アメリカからはおそらくお得意様と思われているであろうなでしこジャパンは、通算2勝目こそならなかったもののしぶとくドローに持ち込み、初参加の大会初戦で勝ち点1を獲得しました。

キックオフからしばらく猛攻にさらされたあと、最初に相手陣内深くまで攻めた際にコーナーキックを獲得。そのセカンドボールを長谷川唯、杉田妃和、横山久美が生かしてフィニッシュ。惜しくもクロスバーを叩いたシュートで一度は流れをつかみかけました。

しかし先制したのはアメリカでした。前半23分、日本はボックス内の人数はそろっていながら、ミーガン・ラピノの後方からの上がりをケアしきれずフリーにしてしまい、右サイドを攻略したトビン・ヒースのクロスに難なく合わされてしまいました。

いつものような展開で、このまま敵地で相手の勢いに飲み込まれかねない状況でした。アメリカが個々のストライドの大きさを生かして広いピッチを存分に使う中、それでも我慢強くプレーを続け、失点を重ねないことで前半を乗り切ります。

後半に入ってからは中盤での小気味いいパスワークによってペナルティエリアには近づけるものの、決定的なフィニッシュまで行けない場面が見られ、最後の詰めの甘さが目立ちました。

特にサイドハーフの中島依美と長谷川がハーフスペースに絞って数的優位をつくることが少なかったこの試合。それができた後半23分に同点弾が生まれます。長谷川が逆サイドの大外でかまえる中島めがけてパスを出すと、中島はサイドからもうひとつ内側のレーンに走り込み、一旦阻まれたティアナ・デビッドソンのクリアミスに乗じて左足を振り抜きました。

試合を振り出しに戻したことで日本に活気が生まれます。残り20分を切っていたにもかかわらず、アメリカの運動量を上回る走りでさらなる得点の予感を抱かせました。アジアを1年に2回制した自信の表れでした。

しかしそこはさすがのアメリカです。ジル・エリス監督がクリステン・プレスを投入すると、プレスはゴールに迫ろうとする貪欲な姿勢をすぐさま前面に出し、アレックス・モーガンの胸で押し込むゴールをアシストします。またしても日本の左サイドから見事にやられてしまいました。

終盤にはアシスタントレフェリーが負傷して時計が止まるアクシデントもあり、なすすべなく敗れる可能性が高まった後半46分、ボックス手前でボールをつなぎ、パスを受けた長谷川が絶妙なトラップで抜け出すと相手を引きつけながら籾木結花へ預けます。籾木は落ち着いてネットを揺らし、日本は同点に追い付くことができました。

アメリカが最後の力を振り絞って3点目を奪いにきたため、逆転することはかなわなかったとはいえ、劣勢に立たされてもあきらめない姿勢を貫けたことは大きな収穫です。ほとんどの選手にとってはシーズン開幕前で、今年最初のゲームとしては申し分ない出来でした。加えてキャップ数の少ない選手も難しい相手に堂々とプレーできたことでチームの底上げにもつながりました。

この結果を無駄にしないために残り2試合の戦い方が試されます。