スコアは0対4、ボール支配率は鹿島が39%でリーベルが61%、枠内シュート数は鹿島の3に対してリーベルは4倍の12。数字上の差は大きく開きはしましたが、鹿島の90分を通したピッチ上全体での出来は決して悪いものではありませんでした。

ディフェンスリーダーの昌子源が負傷のため控えにまわり、クォン・スンテも試合中に足を痛めて前半23分にピッチを去る苦しい展開ながら、レオ・シルバが犬飼智也のフォローをしつつ前にも出ていくなど、選手たちは最後まであきらめずに戦い抜きました。

攻撃面では惜しいプレーがありました。前半、安部裕葵がペナルティエリアで仕掛けたあとのこぼれ球を安西幸輝が狙ったシュート、終盤の土居聖真のシュート、そして絶好の位置で永木亮太が打ったフリーキック。いずれもクロスバーを叩いた惜しいフィニッシュでした。

さらにそれ以外にも鹿島にチャンスはありましたが、ヘルマン・ルクスとハビエル・ピノラを中心としたリーベル守備陣の魂のこもったプレーに幾度となく阻まれてしまいます。

この試合で悔やまれる点があるとすれば、クォン・スンテの退いたタイミングです。正式に交代するよりも前からすでに負傷のためプレー続行が難しい状況だったので、コーナーキックを与える前にプレーを切るか、相手に止めさせてスローインかゴールキックで再開できたなら、油断とも言うべき前半24分の最初の失点はなかったかもしれません。

勝負強さが強みのアジア王者は嫌な形で試合の流れをリーベルに渡してしまい、その後も得点を奪うことができませんでした。

一方、大会直前に大陸の頂点に立った南米王者は、残り20分少々となったところでピッチに入ったゴンサロ・マルティネスが試合を決定づける働きを見せます。

入って4分後の後半28分に点差を広げる2点目のゴールを奪い、後半48分には西大伍と対峙しながら予想しづらいタイミングで曽ヶ端準をあざわらうかのようなループを決めてみせました。

諸々振り返ると最後は個のタレントの差が出てしまったと言えるかもしれません。鹿島にとっては連敗で終わった今シーズンとなりましたが、決め切る力を磨いた先にさらなる成長が待っているはずです。