前半はグアダラハラ、後半は鹿島と、ゲームを始めるキックオフをしたチームが主導権を握る試合となりました。

グアダラハラはキックオフ直後のボールをドリブルで前に持ち運び、戦闘態勢で一気に仕留める姿勢を見せます。そしてその勢いのまま前半3分、昌子源が飛び出していったスペースを埋めようとしたチョン・スンヒョンが判断を迷っている間にイサーク・ブリスエラにクロスを入れられ、内田篤人の頭上を越えたボールをアンヘル・サルディバルに合わされてしまいました。

45分で試合を決めようとした北中米カリブ海王者は、一人一人が目の前にいる相手を確実につぶすべく、激しいプレッシャーで鹿島に隙を与えません。鹿島は普段のペースを取り戻せず、相手ペナルティエリアに攻め込むこともままならない状態で圧倒され、決定機をつくられます。しかし、クォン・スンテの好セーブとクロスバーに救われました。

最少失点で凌いでハーフタイムで修正が施された鹿島は、エンドが変わるとまずは自分たちのリズムを取り戻すべく、最終ラインにボールを下げてゆっくりとビルドアップを行いました。一方のグアダラハラは前半ほどの強度では来ません。

後半4分、クォン・スンテの低い弾道のロングフィードから同点に追い付きます。ボールを受けたセルジーニョから土居聖真にボールがわたり、土居はエリア内で2人を引きつけフリーで上がってきた永木亮太にラストパス。永木は落ち着いて合わせてゴールネットを揺らします。

偶然の産物ではなくきっちりとした形で試合を振り出しに戻せたことで、試合は鹿島の方に傾きました。後半24分には土居がマイケル・ぺレスのファウルを受けて得たPKをセルジーニョがインサイドキックで決めて逆転に成功。さらに後半39分には後半から出てきた安部裕葵と安西幸輝の2人で崩し、最後は安部が巻いたシュートを叩き込んで優位に立ちます。

後半アディショナルタイム、VARによるPKの判定からアラン・プリードの得点を許しはしましたが、残り時間はほとんどなく、最後のコーナーキックを凌いで鹿島が勝利を収めました。

終わってみれば落ち着きのある戦いぶりでアジア王者の強さを見せつけました。これで次の準決勝はレアル・マドリーとの2年ぶりの対戦となりました。クリスティアーノ・ロナウドを失い、いまひとつ調子の上がらないエル・ブランコを今度は下し切ることができるでしょうか。