約1ヵ月にわたる戦いは、フランスが20年ぶり2度目の優勝を果たして幕を閉じました。
序盤は慎重だったフランスに対して、疲労が蓄積しているはずのクロアチアは積極的に仕掛けていきます。ルカ・モドリッチがファウルにはなったものの果敢に高い位置からたびたびつっかけていき、前半3分にはボールを奪ってからイバン・ペリシッチがドリブルで攻め入ろうとしました。
さらに前半10分、中盤に安定感をもたらしているエンゴロ・カンテからボールを奪い、最後はペリシッチが低いクロスを入れるシーンがあり、1分後にはイバン・ラキティッチが裏に出したボールをペリシッチがトラップしながらボールが流れてしまう惜しい場面がありました。
シュートこそなかったとはいえ、モドリッチがカンテを引っ張り出すべくサイドに流れるなどしてそこからフランスの守備を崩そうとしており、試合のペースはクロアチアが握っていました。
ところが最初のチャンスを生かしたのはフランスでした。前半18分、アントワーヌ・グリーズマンのフリーキックがマリオ・マンジュキッチの頭をかすってオウンゴールとなり、先制に成功しました。
ただ、これで屈しないのが今大会のクロアチアです。前半27分、ペリシッチがカンテのファウルを受けてフリーキックを獲得。モドリッチはゴール前ではなくやや右サイドの方向に蹴り、シメ・ブルサリコが折り返すと頭でつないでドマゴイ・ビダが後方に落とし、最後はペリシッチがカンテを外してシュートを決めます。
同点となって一旦膠着しかけたかに見えたゲームは、グリーズマンのコーナーキックに対してペリシッチがハンドをしたとネストル・ピタナ主審がVARを用いて判定を下し、このPKをグリーズマンが確実に決めてフランスが再び勝ち越しました。
こうなるとレ・ブルーはオリビエ・ジルーも引いてペリシッチを監視するなど、前半をこのまま折り返すべくブロックを敷いて応対します。前半44分から前半46分にかけてはラキティッチのコーナーキックが3本続きましたが、いずれも生かすことができませんでした。
後半の立ち上がりは両チームに枠内シュートが生まれる中、クロアチアはポール・ポグバとカンテを飛ばした裏へのボールを増やします。後半4分にはマルセロ・ブロゾビッチのボールが最終ラインの背後に出るも、ラファエル・バランが触り、ウーゴ・ロリスがエリアを飛び出して胸で押さえます。
小柄なカンテの頭上をボールが飛んでいく展開に対してディディエ・デシャン監督は、すでに1枚イエローカードをもらっていたカンテを下げてスティーブン・エンゾンジを入れます。これで最終ラインの前にも高い壁ができました。
その前後、後半7分と後半11分にカウンターを発動させていたフランスが、後半14分に一気の攻撃でリードを広げました。ポグバが鋭い斜めのパスを送ってキリアン・エムバペを走らせ、そのパスをグリーズマンが落ち着いて保持して落とし、ポグバがシュート。最初のシュートはブロックされるも、再び放った一撃がゴールに突き刺さりました。今大会、比較的地味なプレーを厭わなかったポグバが、オウンゴールを誘った初戦のオーストラリア戦以来となる決定的な仕事をやってのけました。
後半20分にはエムバペがクロアチアの選手達の心を折るようなミドルを決めて試合を優位に進めます。
それでも4分後にマンジュキッチがあきらめずに走って、ロリスの軽率なミスを逃すことなく追撃のゴールを奪いました。するとズラトコ・ダリッチ監督はすかさずアンドレイ・クラマリッチを投入。ただしフランスのカウンターを警戒してか、アンカーのブロゾビッチは下げずに残しておきます。
攻勢に出ようとする相手に対してフランスはベルギー戦と同様に中盤と最終ラインの間を狭くしてスペースを消し、残り10分を切ったところでジルーを下げてナビル・フェキルを入れ、攻撃に強みを持つエムバペをセンターに配して逃げ切りを図ります。
クロアチアはラキティッチが積極的にボールに絡むものの、クイックリスタートをピタナ主審にやり直させられたあたりからフラストレーションがプレーに出てしまい、ボールロストをしてカウンターを食らう場面もありました。
終盤はポグバもゴールライン付近での守備に奮闘するなどして、フランスが4対2で勝利を収めました。
初優勝を狙ったクロアチア側からすると、最初の2失点は不運でした。フリーキックを与えたブロゾビッチのファウルのシーンはグリーズマンのシミュレーションのように見えましたし、PKとなったハンドの判定もたしかにペリシッチの体から腕が離れていたとはいえ、やや酷なものでした。
それだけにいまひとつ後味がすっきりしないゲームとなりましたが、優勝候補の一角だったフランスはアルゼンチン、ウルグアイ、ベルギーとタフな山を乗り越えて、最後はクロアチアを下して黄金のトロフィーを掲げることができました。
ドイツによる支配が終わり、個性豊かなタレントを擁するフランスの選手達がチームのために堅実な働きを懸命にこなして試合をマネジメント。結果的にはその攻守にわたる安定ぶりが光っていた大会でした。
序盤は慎重だったフランスに対して、疲労が蓄積しているはずのクロアチアは積極的に仕掛けていきます。ルカ・モドリッチがファウルにはなったものの果敢に高い位置からたびたびつっかけていき、前半3分にはボールを奪ってからイバン・ペリシッチがドリブルで攻め入ろうとしました。
さらに前半10分、中盤に安定感をもたらしているエンゴロ・カンテからボールを奪い、最後はペリシッチが低いクロスを入れるシーンがあり、1分後にはイバン・ラキティッチが裏に出したボールをペリシッチがトラップしながらボールが流れてしまう惜しい場面がありました。
シュートこそなかったとはいえ、モドリッチがカンテを引っ張り出すべくサイドに流れるなどしてそこからフランスの守備を崩そうとしており、試合のペースはクロアチアが握っていました。
ところが最初のチャンスを生かしたのはフランスでした。前半18分、アントワーヌ・グリーズマンのフリーキックがマリオ・マンジュキッチの頭をかすってオウンゴールとなり、先制に成功しました。
ただ、これで屈しないのが今大会のクロアチアです。前半27分、ペリシッチがカンテのファウルを受けてフリーキックを獲得。モドリッチはゴール前ではなくやや右サイドの方向に蹴り、シメ・ブルサリコが折り返すと頭でつないでドマゴイ・ビダが後方に落とし、最後はペリシッチがカンテを外してシュートを決めます。
同点となって一旦膠着しかけたかに見えたゲームは、グリーズマンのコーナーキックに対してペリシッチがハンドをしたとネストル・ピタナ主審がVARを用いて判定を下し、このPKをグリーズマンが確実に決めてフランスが再び勝ち越しました。
こうなるとレ・ブルーはオリビエ・ジルーも引いてペリシッチを監視するなど、前半をこのまま折り返すべくブロックを敷いて応対します。前半44分から前半46分にかけてはラキティッチのコーナーキックが3本続きましたが、いずれも生かすことができませんでした。
後半の立ち上がりは両チームに枠内シュートが生まれる中、クロアチアはポール・ポグバとカンテを飛ばした裏へのボールを増やします。後半4分にはマルセロ・ブロゾビッチのボールが最終ラインの背後に出るも、ラファエル・バランが触り、ウーゴ・ロリスがエリアを飛び出して胸で押さえます。
小柄なカンテの頭上をボールが飛んでいく展開に対してディディエ・デシャン監督は、すでに1枚イエローカードをもらっていたカンテを下げてスティーブン・エンゾンジを入れます。これで最終ラインの前にも高い壁ができました。
その前後、後半7分と後半11分にカウンターを発動させていたフランスが、後半14分に一気の攻撃でリードを広げました。ポグバが鋭い斜めのパスを送ってキリアン・エムバペを走らせ、そのパスをグリーズマンが落ち着いて保持して落とし、ポグバがシュート。最初のシュートはブロックされるも、再び放った一撃がゴールに突き刺さりました。今大会、比較的地味なプレーを厭わなかったポグバが、オウンゴールを誘った初戦のオーストラリア戦以来となる決定的な仕事をやってのけました。
後半20分にはエムバペがクロアチアの選手達の心を折るようなミドルを決めて試合を優位に進めます。
それでも4分後にマンジュキッチがあきらめずに走って、ロリスの軽率なミスを逃すことなく追撃のゴールを奪いました。するとズラトコ・ダリッチ監督はすかさずアンドレイ・クラマリッチを投入。ただしフランスのカウンターを警戒してか、アンカーのブロゾビッチは下げずに残しておきます。
攻勢に出ようとする相手に対してフランスはベルギー戦と同様に中盤と最終ラインの間を狭くしてスペースを消し、残り10分を切ったところでジルーを下げてナビル・フェキルを入れ、攻撃に強みを持つエムバペをセンターに配して逃げ切りを図ります。
クロアチアはラキティッチが積極的にボールに絡むものの、クイックリスタートをピタナ主審にやり直させられたあたりからフラストレーションがプレーに出てしまい、ボールロストをしてカウンターを食らう場面もありました。
終盤はポグバもゴールライン付近での守備に奮闘するなどして、フランスが4対2で勝利を収めました。
初優勝を狙ったクロアチア側からすると、最初の2失点は不運でした。フリーキックを与えたブロゾビッチのファウルのシーンはグリーズマンのシミュレーションのように見えましたし、PKとなったハンドの判定もたしかにペリシッチの体から腕が離れていたとはいえ、やや酷なものでした。
それだけにいまひとつ後味がすっきりしないゲームとなりましたが、優勝候補の一角だったフランスはアルゼンチン、ウルグアイ、ベルギーとタフな山を乗り越えて、最後はクロアチアを下して黄金のトロフィーを掲げることができました。
ドイツによる支配が終わり、個性豊かなタレントを擁するフランスの選手達がチームのために堅実な働きを懸命にこなして試合をマネジメント。結果的にはその攻守にわたる安定ぶりが光っていた大会でした。