前半3分、カルロス・サンチェスの退場がすべてを変えてしまいました。
ホアン・モヒカのクロスを昌子源がクリア。そのボールを香川真司がダイレクトで浮き球を背後に送ると、大迫勇也がスピードに難のあるダビンソン・サンチェスに当たり負けせずシュートまでもっていきます。これはダビド・オスピナが防ぐも、ゴール前に詰めていた香川が押し込みにいき、カルロス・サンチェスがボールを腕に当ててしまいました。香川は落ち着いて真ん中寄りのコースにPKを決めます。
数的不利になったコロンビアはあまり無理ができなくなりました。トップ下のいない4-4-1のブロックを敷き、日本を待ち構えるスタイルをとるようになります。
こうなるとプレッシャーが緩くなった日本は最終ラインでゆっくりとボールを回す時間を増やします。グループリーグ最終戦で両者ともに決勝トーナメント進出が決まっている中、互いの利益のために費やす最後の5分間のように第三者から見れば実に退屈な展開に持ち込みました。
コロンビアはフアン・クアドラードが右サイドで勝負を仕掛けるものの、長友佑都がタイトについて仕事をさせません。これを重く見たかホセ・ぺケルマン監督は前半31分にクアドラードを下げます。
日本優位の流れでしたが、前半37分に長友のクリアミスをきっかけに長谷部誠がラダメル・ファルカオにファウルをしてしまい、与えたフリーキックをフアン・キンテーロに決められて同点に追い付かれます。日本の選手がつくった壁の下を通され、川島永嗣はそれを止めることができませんでした。
まだ時間は残っており、数的有利な状況は変わっていないことから慌てる必要はなかったのですが、日本はチームとしての経験不足からかパスのずれが目立ち始め、パラグアイ戦の昌子のプレーがいいイメージになっていたのか、パスをしない場合は後方の選手がなんとなく相手陣内に持ち出すシーンが増えました。
一方、チャンスがあれば速くすべきはずの守から攻への切り替えは遅く、後半10分に長谷部がファルカオからボールを奪取したあと、長谷部もその周囲にいた選手も前線への上がりはゆったりとしたものでした。こうした好機を生かせれば、コロンビアを恐怖に陥れ、奈落の底に叩き落せたかもしれません。
それでも後半28分に酒井宏樹のパスを受けた大迫勇也が体を張ったポストプレーでキープし、酒井に戻すと右サイドバックはシュートを放ち、相手に当たってコーナーキックを獲得。ここで香川に代わって入ったばかりの本田圭佑のキックに大迫が体を伸ばして合わせ、勝ち越しに成功します。
止めたボールのキックでは結果を出した本田でしたが、後半32分、柴崎岳が倒れている中でバックパスをミスしてしまいカウンターを食らいかけました。ここは長友がクリアをしたことで難を逃れます。
その後は再びゆったりとした後方でのボール回しに終始。サイドでのフリーキックも短くつなぎ、時間を使ってやり過ごします。時折攻め込まれはしましたが、この日は1対1で止められることの多かった乾貴士が下がってディフェンスに貢献するなど、自陣では最後まで集中を切らしません。
日本にとっては、本調子ではない途中出場のハメス・ロドリゲスが4年前のコートジボワール戦におけるディディエ・ドログバのような脅威にならなかったことも救いとなりました。ボールの供給役が機能しなかったことで、前半12分と前半34分に日本ゴールを襲ったファルカオが消えてしまいました。
無事逃げ切りに成功し、アジア勢としては初めてワールドカップで南米のチームに勝利を収めることができました。これは歴史的な快挙です。結果を出したことで得られる自信ははかり知れず、これからの日本サッカーにとって大きな財産になることは間違いありません。
しかし、選手・スタッフ含め全員の知力と体力の限りを尽くし、インテンシティの高い攻防が繰り広げられている今大会では異質な、スローテンポなサッカーで勝ってしまったことが次戦以降に生かせるか、通用するかどうかははなはだ疑問です。
南米、アフリカ、ヨーロッパと、アトランタ五輪と同じような対戦順になっている今大会。この勝利だけで終わらせないように、勝ち点6をとりながら決勝トーナメントに進めないといった結末にならないように次の2試合を戦い抜くことができるかどうか。西野朗監督が率いるこのチームを好評価するのはまだ早いと言わざるを得ません。
ホアン・モヒカのクロスを昌子源がクリア。そのボールを香川真司がダイレクトで浮き球を背後に送ると、大迫勇也がスピードに難のあるダビンソン・サンチェスに当たり負けせずシュートまでもっていきます。これはダビド・オスピナが防ぐも、ゴール前に詰めていた香川が押し込みにいき、カルロス・サンチェスがボールを腕に当ててしまいました。香川は落ち着いて真ん中寄りのコースにPKを決めます。
数的不利になったコロンビアはあまり無理ができなくなりました。トップ下のいない4-4-1のブロックを敷き、日本を待ち構えるスタイルをとるようになります。
こうなるとプレッシャーが緩くなった日本は最終ラインでゆっくりとボールを回す時間を増やします。グループリーグ最終戦で両者ともに決勝トーナメント進出が決まっている中、互いの利益のために費やす最後の5分間のように第三者から見れば実に退屈な展開に持ち込みました。
コロンビアはフアン・クアドラードが右サイドで勝負を仕掛けるものの、長友佑都がタイトについて仕事をさせません。これを重く見たかホセ・ぺケルマン監督は前半31分にクアドラードを下げます。
日本優位の流れでしたが、前半37分に長友のクリアミスをきっかけに長谷部誠がラダメル・ファルカオにファウルをしてしまい、与えたフリーキックをフアン・キンテーロに決められて同点に追い付かれます。日本の選手がつくった壁の下を通され、川島永嗣はそれを止めることができませんでした。
まだ時間は残っており、数的有利な状況は変わっていないことから慌てる必要はなかったのですが、日本はチームとしての経験不足からかパスのずれが目立ち始め、パラグアイ戦の昌子のプレーがいいイメージになっていたのか、パスをしない場合は後方の選手がなんとなく相手陣内に持ち出すシーンが増えました。
一方、チャンスがあれば速くすべきはずの守から攻への切り替えは遅く、後半10分に長谷部がファルカオからボールを奪取したあと、長谷部もその周囲にいた選手も前線への上がりはゆったりとしたものでした。こうした好機を生かせれば、コロンビアを恐怖に陥れ、奈落の底に叩き落せたかもしれません。
それでも後半28分に酒井宏樹のパスを受けた大迫勇也が体を張ったポストプレーでキープし、酒井に戻すと右サイドバックはシュートを放ち、相手に当たってコーナーキックを獲得。ここで香川に代わって入ったばかりの本田圭佑のキックに大迫が体を伸ばして合わせ、勝ち越しに成功します。
止めたボールのキックでは結果を出した本田でしたが、後半32分、柴崎岳が倒れている中でバックパスをミスしてしまいカウンターを食らいかけました。ここは長友がクリアをしたことで難を逃れます。
その後は再びゆったりとした後方でのボール回しに終始。サイドでのフリーキックも短くつなぎ、時間を使ってやり過ごします。時折攻め込まれはしましたが、この日は1対1で止められることの多かった乾貴士が下がってディフェンスに貢献するなど、自陣では最後まで集中を切らしません。
日本にとっては、本調子ではない途中出場のハメス・ロドリゲスが4年前のコートジボワール戦におけるディディエ・ドログバのような脅威にならなかったことも救いとなりました。ボールの供給役が機能しなかったことで、前半12分と前半34分に日本ゴールを襲ったファルカオが消えてしまいました。
無事逃げ切りに成功し、アジア勢としては初めてワールドカップで南米のチームに勝利を収めることができました。これは歴史的な快挙です。結果を出したことで得られる自信ははかり知れず、これからの日本サッカーにとって大きな財産になることは間違いありません。
しかし、選手・スタッフ含め全員の知力と体力の限りを尽くし、インテンシティの高い攻防が繰り広げられている今大会では異質な、スローテンポなサッカーで勝ってしまったことが次戦以降に生かせるか、通用するかどうかははなはだ疑問です。
南米、アフリカ、ヨーロッパと、アトランタ五輪と同じような対戦順になっている今大会。この勝利だけで終わらせないように、勝ち点6をとりながら決勝トーナメントに進めないといった結末にならないように次の2試合を戦い抜くことができるかどうか。西野朗監督が率いるこのチームを好評価するのはまだ早いと言わざるを得ません。