前節まで1試合平均の失点が1.00点と守備の安定している両チームの対戦は、両守護神の好セーブもあり、スコアレスドローに終わりました。

アウェイの札幌はパスを細かくつないで崩すのではなく、ジェイ・ボスロイド、都倉賢の高さを生かすべく、ウイングバックの菅大輝、駒井善成からのクロスや後方からのボールを多用しました。

そこに立ちはだかったのが林彰洋でした。前半42分にはジェイが空中で競ったボールに反応した都倉がシュートを放ちますが、これを見事に防ぐと、後半18分の福森晃斗のフリーキックも外に弾き出し、後半46分のピンチも体を張って凌ぎました。

一方、東京は序盤は札幌の執拗なプレッシャーに苦しめられ、その後も最終ラインを5人で固める守りの攻略に苦労しますが、クロスの精度に定評のある太田宏介を除く両サイドの選手がしばしば中央のレーンに入ることでチャンスをつくろうとします。

前半29分には最終的に永井謙佑がオフサイドにかかったものの、東慶悟と大森晃太郎がともに中央でパス交換をして札幌ディフェンスを崩し切るシーンがありました。また前半44分には大森が中央からミドルシュートを狙い、ク・ソンユンに阻まれます。

後半になると東京がカウンターを仕掛けられる場面が増え、後半8分には永井の好判断によるパスを受けた室屋成がク・ソンユンとの一騎打ちとなりました。しかし室屋のシュートは札幌の守護神に止められてしまいます。

後半15分にもカウンターで3対3の局面をつくりだすなどしたものの、持ち味である永井とディエゴ・オリヴェイラの縦への推進力を生かすことはほとんどできず、特にディエゴ・オリヴェイラはほとんどチャンスに絡むことができませんでした。

最後は東京がスローインからパスを後方でゆったり回して時間を使っている間にタイムアップを迎えてしまいました。前の日に首位のサンフレッチェ広島が勝ち点を伸ばしていただけに、どちらにとっても痛い引き分けとなりました。