川崎は前半、鳥栖の執拗な守備に手を焼きました。家長昭博には吉田豊が、そして中村憲剛が鳥栖陣内に侵入すると高橋秀人が……というように鳥栖の選手がマンマーク気味についてくるため、うまく相手を外してパスを回すことができませんでした。そのためほとんど持ち味を発揮できないままハーフタイムを迎えます。

思うように試合を動かせなかったことから、鬼木達監督はたまらず後半頭から小林悠、後半10分には大島僚太を投入。また家長は前半以上に持ち場である右サイドを離れてプレーする時間を増やし、吉田の追走を避けるようにしました。

こうした動きが実り、大島が入って1分後にその大島、中村、家長が絡んだダイレクトプレーによって阿部浩之の態勢を崩しながらの先制ゴールが生まれます。忍耐強く守っていた鳥栖もこのスピードにはまったく対処できませんでした。

大島はゴールに絡むだけでなく、ほとんど中央で構えてボールを確実にキープし、さばいてくれるので、広範囲に動いてボールを受ける中村の負担も軽減されました。

そして後半22分、阿部がゴールライン手前からふわりとしたクロスを上げると、ニアからファーへと逃げてフリーになった小林悠が頭で押し込み点差を2に広げます。

連敗中の鳥栖は前線に趙東建を入れて3バックに変更したり、再び4バックに戻したりと手を変え品を変えて勝ち点を取りにいきましたが、前半28分にチョン・ソンリョンを脅かした小野裕二のミドルシュートのようなゴールの枠をとらえた決定機をつくることはできません。

逆に川崎が後半44分に合いはしなかったものの家長が小林悠を狙ったラストパスを繰り出したり、後半47分には大久保嘉人のパスを受けた小林悠が粘り強くキープしてシュートを放つなど、権田修一の守る鳥栖ゴールに迫っていきました。

昨シーズンの王者は苦戦はしましたが、終わってみれば危なげない勝利となりました。心配なのは後半32分に接触がないのに倒れ込みピッチを去ることとなったエドゥアルド・ネットの状態です。守田英正のプレーも安定しており、戦力が整っているとはいえ、過密日程が続く中での長期離脱は首位のサンフレッチェ広島を追うためにも避けたいところです。