後半ボールを思うがままに支配されながらも、立ち上がりに取った虎の子の1点を死守したベガルタ仙台戦から中3日。過密日程を考慮してか阿部勇樹、槙野智章をベンチ外とし、スタメンを入れ替えて臨んだ浦和はチーム全員の奮闘により、この日も苦しい戦いをものにしました。

まず前半24分、遠藤航が相手陣内で三原雅俊からボールを奪ったところからスタートし、右サイドに流れた興梠慎三が横方向のスルーパスを繰り出すと武藤雄樹がシュート。一度はキム・スンギュに防がれますが、武藤ははね返ったボールを落ち着いてゴールに押し込みました。

その後は前半37分、前半42分にカウンターを発動させますが、追加点は奪えません。

後半、右サイドバックの藤谷壮を使った攻撃を多用する神戸がコーナーキックを獲得。美しい軌道を描いたルーカス・ポドルスキのキックにウェリントンが豪快に合わせて同点にします。

今シーズン2点以上挙げた試合のない浦和は勢いを削がれてしまい、仙台戦同様に自陣深い位置まで引かされます。神戸にボールを持たれ続け、危険なエリアにはなかなか入らせなかったものの手も足も出ない時間がありました。

そうした悪い流れの中で佐々木大樹に仕掛けられ、逆転ゴールを決められます。まだ30分ほど時間は残されていましたがこのダメージは大きく、一時的に全体の守備のポジショニングに乱れが生じました。

それでも柏木陽介のコーナーキックが浦和に歓喜をもたらします。リードを許してから9分後の後半27分、キャプテンのキックをファーサイドで岩波拓也が合わせ、ボールはゴール前でカバーに入っていた三田啓貴の頭上を越えて逆サイドのゴールネットを揺らしました。

以降も背番号10のプレースキックが冴えわたります。後半36分にはマウリシオに合わせ、このときはキム・スンギュに防がれるも、後半47分にも再びマウリシオに合わせるとブラジル人センターバックはチョン・ウヨンに競り勝ち、これが決勝点となりました。

アジア王者のプライドを見せつけた執念の勝利でした。決して楽な試合ではありませんでしたが、チームの結束力が高まる劇的な形での連勝となりました。