キリンチャレンジカップの海外開催がもっと早くできていたならば……と思わせるほどタフなウクライナとの対戦となりました。もちろん海外で行うにしても日本で見やすい時間にキックオフを合わせなければならず、それもあって集客面はまったく期待できないことや、ワールドカップ以後、ヨーロッパではネーションズリーグが始まり、こういった手合わせが難しくなることなどから、現実的には今後も継続して行うには課題が山積みでしょうが、とりあえず今回は本大会の準備をするにはいいマッチメイクとなりました。

貴重な場を生かしたい日本は、ウクライナの攻守における出足の速さにアジャストするのに時間がかかってしまい、流れの中での決定機は後半41分の長友佑都のクロスを小林悠が落とし、中島翔哉が粘り強くシュートを打ち続けた場面まで待たなければなりませんでした。

前半の守備では、中盤の3人が対峙する選手に可能な限りついていくような形を試みましたが、左サイドでスペシャルな働きをするイェウヘン・コノプリャンカを除いては、オレクサンドル・ジンチェンコがハーフスペースにポジションをとる左サイドバックのような動きを見せるなど、ピッチの中を自在に移動するため、捕まえきることができず、この形は断念せざるを得ませんでした。

攻撃は甘いパスが簡単に狙われ、さらに先制した直後のウクライナはマリ同様にセンターバックにボールを持たせまいとプレッシャーをかけてきました。しかし彼らより前の選手の受ける動きは少なく、苦し紛れのロングキックを用いる結果となりました。

それでも柴崎岳のフリーキックから槙野智章が同点弾を奪ってから、多少は息を吹き返し、日本のプレー強度も高まりつつありましたが、左を活性化させてもサイドからのクロスは形にならず、そうこうしているうちにコノプリャンカに日本の右サイドを突破され、マイナスのボールに走り込んだオレクサンドル・カラバエフに勝ち越し点を決められてしまいました。

そこから15分以上経過してようやく流れの中での決定機をつくると、最後の最後で小林がアンドリー・ピャトフに寄せたことでパスミスを誘発し、拾った中島が持ち込んで倒され、フリーキックのチャンスを得ます。ここで中島が直接ゴールを狙いますが、ピャトフに阻まれてしまいました。

再び同点にすることはできず、外野の雑音がますます大きくなる結果となりました。中島が見せ場をつくった以外に特筆すべき点はなく、23人の選考がいい意味で難しくなることはなかったので、悩ましい状況ではありますが、5月に再集合してからの1ヵ月でどこまで組織的に戦えるチームにできるかが本大会に向けては重要となります。