本大会でも起こりえないとは限りませんが、吉田麻也、酒井宏樹といった主力が負傷のため、井手口陽介、浅野拓磨が所属クラブで確固たる地位を築けていないことを理由にメンバーに入っていないという苦しい状況の中、さらに大島僚太がE-1サッカー選手権の中国戦と同様に前半半ばで負傷交代するアクシデントに見舞われてしまいました。

大島は守備時には長谷部誠と並んでボール奪取に貢献し、攻めに転じたときはキャプテンよりも前目にポジションをとって前線とのつなぎ役を見事に果たしていました。前半23分には狙いを定めてミドルシュートを放ち、ジギ・ディアラを襲いました。

重たい背番号25を背負っていたMFは、この日も攻守にわたって存在感を発揮できていただけに再びの負傷退場は残念でなりません。代わりに入った山口蛍はどちらかと言えばディフェンスで力を発揮するタイプのため、チームのクリエイティブな部分はややダウンしてしまいました。

しかも、不慣れな右サイドバックを任された宇賀神友弥のファウルでPKを献上、前半のうちにリードを許す展開となりました。マリには流れの中で前半9分のアダマ・トラオレのシュートくらいしか決定機をつくらせていなかっただけに悔やまれる失点です。

試合を難しくしてしまった中で後半15分に長谷部が下がると、状況はより厳しくなります。これは本番に向けてのテストの一環でしょうから必要以上に悲観する必要はないものの、長谷部が広範囲を的確にカバーしていたのに対し、三竿健斗も幅広く動いてはいましたが、ポジションを捨てて相手をつぶしに行くリスキーなプレーを何度かしており、中盤の安定感がやや失われてしまいました。

こうした影響もあってか、昌子源、槙野智章、中村航輔でボールを回す際に、高い位置をとるマリの前線の選手の存在を怖がってなかなか前に運べないシーンがありました。またいつものような最終ラインから前線への斜めのロングパスもボールが緩かったりして奏功しませんでした。

それでも後半48分に中島翔哉が3人を外して小林悠に預け、小林がタメをつくってクロスを入れ、弾かれたボールを三竿がすかさずファーサイドに蹴り込み、最後は中島が合わせて同点に追い付きました。

アフリカのワールドカップ3次予選で1勝もできず、最下位に終わった相手に……という見方もできるでしょうが、コートジボワールとモロッコにアウェイで負けたほかはスコアレスドローが4試合だったというチームですから、今回はメンバーが落ちているとはいえ、楽に勝てる相手ではなかったと考えられます。

もちろん日本が改善すべき点は多く、ロシアで23人の総力を結集して戦えるかどうかという点ではまだ首をひねらざるをえない90分となりました。