ボールを握っての攻撃に重きを置く同じ流派の両者の対戦は、得点こそ中村憲剛のフリーキックに入ったばかりの大久保嘉人が合わせた1点のみでしたが、フィールドプレーヤーが密集したピッチの中で互いに主導権を譲りたがらない見ごたえのある戦いとなりました。

それでも相手を食いつかせてからパスではがすプレーを含め、局面における戦いでは、苦しみながらAFCチャンピオンズリーグを戦っているJ1王者が勝っていました。ひとつひとつの小さな勝利が積み重なり、完封勝利につなげた格好です。

とりわけ攻守において存在感を見せたのは、大島僚太と小林悠という代表組です。後半8分には家長昭博とともに怒涛の攻撃でゴールに迫るなど、鋭いボールを使って攻める一方、守備への切り替えも非常に早く、高い位置で名古屋から自由を奪っていました。

また、名古屋のキープレーヤーであるガブリエル・シャビエルを抑えた登里享平の働きも見事でした。サイドのポジションに固執することなく、ときには執念深くシャビエルについて、前半30分には強いシュートを打たせまいと最後まで食らいつきました。

最後方ではチョン・ソンリョンが立ちはだかり、前半10分の青木亮太のシュートはジョーがこぼれ球に詰めようとしていたため、ボールをはじく際にコーナーキックに逃げる判断をし、後半50分の佐藤寿人の至近距離からのボレーシュートには懸命に反応してセーブ。後方に流れた緩いボールは谷口彰悟がゴールライン手前でクリアしました。

その谷口も長身の元セレソン、ジョーを相手に一歩も引かない戦いを見せ、ほとんど仕事をさせませんでした。頼もしさを感じさせる安定したプレーぶりです。

ホームの名古屋はやや守らされる時間を乗り切った前半35分と前半42分にそれぞれジョーとシャビエルにシュートチャンスが訪れましたが、どちらも枠をとらえきれず、それ以降は流れの中でほとんど決定機がつくれませんでした。

こうして無敗対決は違いを見せつけた川崎の勝利に終わり、首位に浮上。いい形で中断期間を迎えることとなりました。