滑り出しは上々でした。持たれたらすかさずブロックを形成する清水に対し、札幌は果敢に攻めていきました。最終ラインから長いボールで両ウイングにつけたり、ショートパスは相手がいてもかまわずに縦につけたりして、前への意識を強めていました。

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の志向するサッカーが早くも浸透しているようで、プレーする選手たちも今シーズンからの変化を楽しんでいるかのようでした。

ゲームを支配するいい流れの中、前半15分に大きなサイドチェンジを駒井善成が受け、そのクロスにジェイ・ボスロイドが合わせて先制します。

しかし、チームはまだ発展途上にあるようで、3バックの外側を使われて失点してからは守勢に回り始めます。特に後半3分の金子翔太の逆転弾を食らってからは、完全に清水に主導権を明け渡してしまいました。前半の清水は札幌の失速を見越して我慢をしていたのかもしれません。

劣勢になって弱気になり、迷いが生じ、ホームグラウンドにもかかわらずパススピードは明らかに落ちました。必然的に中盤でのボールロストが増え、立ち上がりのようないいリズムを取り戻せません。連動性、継続性といった点では改善の余地があります。

そこで指揮官はヘイスや都倉賢といった強さを持った選手を前に送り込む一方で、三好康児をボランチとして、チャナティップ・ソングラシンを左ウイングバックとして残したのです。プレー続行となった2人はともに不慣れなポジションで、シャドーを任されていたときのような攻守における機動力、躍動感は鳴りを潜めてしまいました。

こうして選手構成としては攻撃に相当軸足を置いた格好になったものの機能はせず、前線の選手を生かしたパワープレーをするでもなく、サイドからのクロスは簡単に跳ね返されてしまい、札幌からは得点のにおいを感じられませんでした。

時間の経過とともに課題が目立ち、1対3の逆転負けを喫したホーム開幕戦。それでも可能性を秘めていることは間違いないので、これからの成長に期待したいところです。