流れの中でのシュートは田中美南が後半34分に放った1本のみ。獲得したコーナーキックはゼロ。終了間際の田中のPKはステファニー・ラベに阻まれ失敗――。なでしこジャパンはいいところを出しきれないまま、無得点で最終戦を終えました。

こうなってしまったのは、ビルドアップから苦労していたことが大きな要因でした。最終ラインでボールを回していても、カナダの2トップとセンターハーフに阪口夢穂と隅田凛へのパスコースを封じられ、出しどころに困って相手の背後に大きく蹴ってもデンマークのようにはたやすく裏を取らせてもらえず、待ち構えていた屈強なカナダのDFに弾かれました。

また、前半31分に菅澤優衣香がバランスを崩しながら懸命に出したパスに中島依美が抜け出しチャンスになりかけたときは、ジャニーン・ベッキーの体を張ったディフェンスに止められ、シュートを打つことができません。

逆に日本はペナルティエリア内での集中力を欠いて失点を重ねてしまいます。前半20分にはベッキーのシュートが中島の腕に当たり、主審が判定を下す前に中島はそばにいた有吉佐織とともに動きを止めてしまうと、ハンドのアピールをしつつもシュートを放ったベッキーにしてやられました。

後半5分には長谷川唯がサイドで奪われたボールに対し、熊谷紗希と山下杏也加が連携ミスをしてしまい、さらに熊谷が大きく蹴り出さずに持ち出そうとしたところをアシュリー・ローレンスに狙われて追加点を許しました。

隙のなさではカナダに圧倒され、馬力やスピードでもなでしこはかないませんでした。来月に迫った女子ワールドカップ予選の突破は、リオ五輪にくらべて出場枠が多いことから決して難しくないでしょうけれど、どれだけ海外遠征を繰り返してもそこから先の戦いに光明を見出すことがいまだにできていません。