前半はベレーザを意識し過ぎたのか、石田みなみ、川島はるなの両ウイングがかなり引き気味なのもあって、最終ラインの統制をとりきれていなかったノジマステラ。当然、ベレーザはそれを見逃しはしません。

前半6分と前半24分、岩清水梓の縦へのフィードをそれぞれ田中美南と阪口夢穂が抜け出して受け、田尻有美の頭上を越すシュートを決めます。ノジマステラの選手はオフサイドをアピールしましたが、いずれも副審の旗は上がりませんでした。

同じ形で失点を繰り返したノジマステラは、後半頭からミッシェル・パオを送り込み、ウイングの高さを修正。変に怖がらずにこの形を早めにとっていれば、試合展開はもう少し違ったものになったかもしれません。

前への意識を高めたことでコーナーキックを獲得する機会も増え、田中陽子の正確なプレースキックがチャンスへとつながります。後半21分にはそのキックのこぼれ球に反応した吉見夏稀がゴールを狙い、ボールは惜しくもポストを直撃します。

流れを引き寄せ、得点まであと一歩のところまで近づきながらネットを揺らせずにいると、後半29分にまたしても田中美南に決められてしまいます。ミッシェル・パオがボールを失うと、中里優がそれをすかさず前線に送り、裏に抜け出た得点女王が冷静に処理しました。

残り約15分となり、厳しい状況に追い込まれた挑戦者は、それでも気持ちを切らすことなく攻め続けました。後半38分には田中陽子が強烈なシュートを放ちますが、山下杏也加に阻まれます。

ノジマステラは最後までひたむきな攻撃でベレーザを追い込みはしましたが、結果を出すという点においては優勝経験の豊富なベレーザが一枚も二枚も上手だった、という決勝でした。