アンカーに隅田凛を置いて、阪口夢穂、猶本光というボランチタイプの選手をインサイドハーフとして起用した4-1-4-1の布陣で臨んだ日本でしたが、新たな形が機能したとは言いがたい内容でした。

序盤は攻撃参加を得意とする阪口が自由に上下動できる利点を生かして試合を進め、前半20分の田中美南の得点シーンでは隅田も中島依美のパスを受けるべくゴールに向かって走り込んでいました。

ところが前半30分ごろから、慣れない布陣を敷いた日本が中盤のバランスを欠き、中国のミドルレンジのパスがいとも簡単に通るようになります。特に猶本のポジションが不安定で、攻撃にも守備にも関与できていない中途半端に前目のところで浮いてしまいました。

必然的にハーフタイム明けには猶本に代えて岩渕真奈が入り、4-4-2にシステムを変更。比較的慣れ親しんだ形に戻します。

首位を走る北朝鮮を上回るにはさらなる得点が必要だった日本ですが、後半6分には阪口が、後半12分と18分には田中がゴール前で決定的なパスを受けるも、クリーンなシュートが打てません。

終了間際の後半43分にもボールを奪った阪口からのパスに岩渕がうまく抜け出してシュートを放ちましたが、これは枠をとらえられませんでした。

結局、1対0で試合は終了。前半25分の三宅史織、そして後半47分の池田咲紀子のミスパスからピンチを招くも失点につながることはなく、完封勝利を収めることはできました。

これで優勝に王手とはなったものの、3大会ぶりの制覇のためには次の北朝鮮戦に勝たなければならなくなりました。引き分けすら許されない一戦でどのように戦って有終の美を飾ることができるでしょうか。