過去11回戦って一度も勝ったことがないだけでなく、メンバーをいじられても接戦に持ち込むことすらほとんどできない相手。そんなブラジル代表との今回の対戦も、両者の差がはっきりと表れてしまいました。

立ち上がりは意欲的だった日本。フェルナンジーニョへの対策として、長谷部誠も中盤の底で構えるのではなく、積極的に前に出てディフェンスをしていました。

しかし、前半7分のコーナーキックの際、吉田麻也がフェルナンジーニョを倒したとしてVARによりブラジルにPKが与えられ、ネイマールがこれをきっちり沈めたことで、0対0の時間を長くしたかったはずの日本のプランが狂います。

ブラジルは攻撃だけでなく前からの寄せも速く、日本の選手がパスの出しどころを探しているうちに2、3人に囲まれてしまいます。かといって急いでパスを出しても精度が低く、簡単に失ってしまいました。よって日本が思うような攻撃をさせてもらえませんでした。

そうこうしているうちにブラジルは追加点を奪い、リードを3点に広げます。特に久保裕也のボールロストからのカウンターによるガブリエウ・ジェズスの3点目は痛恨でした。

こうなってしまったのはここまでヴァイッド・ハリルホジッチ監督になって以降、世界トップクラスのチームと対戦する機会がまったくなかったことが少なからず影響しているように思えます。もちろんワールドカップ予選が長期にわたって行われたため、そういうマッチメイクが難しかったという事情もありますが……。

後半はガブリエウ・ジェズスとマルセロが下がった後、井手口陽介のコーナーキックを槙野智章が合わせて1点を返しました。それまで井手口のコーナーキックにまったく可能性を感じなかったことから、ブラジルが油断したのかもしれません。

さらにネイマールとウィリアンがピッチを去ると、日本も多少余裕をもってボールを動かすことができるようになりました。それでも流れの中から決定機をつくることはできずに終わってしまいます。後半49分の酒井宏樹のマイナスのボールに合わせようとした浅野拓磨がしっかり仕留めきるなど、この状況で1点でも奪うことができれば、もう少し光明を見いだせたはずです。

またしてもほろ苦い結果となってしまいましたが、本番に向けてこうした経験ができたことをプラスに変えていくしかありません。