後半頭からピッチに送り込まれた中村憲剛の役割は、停滞気味のチームの流れを変え、均衡を破る得点を奪って勝つため、のはずでした。しかし後半15分、背番号14のパスはクリスティアーノへのプレゼントボールとなり、柏の9番は迷わずシュート。これが川崎の選手に当たってコーナーキックとなります。

このチャンスをショートコーナーにして、再びボールを受けたキッカーのクリスティアーノはクロスではなくシュートを選択。すると強烈なボールがゴールを揺さぶり、柏に先制点が生まれました。

柏は前半、再三にわたりショートコーナーを使っていましたが、後半に入ると直接ゴール前に放り込む形に変更。それゆえ川崎はショートコーナーへの警戒を怠っていました。前半19分には柏のショートコーナーに対し、ハイネルがプレッシャーをかけ、クロスを上げようとしたキム・ボギョンからボールを奪取してカウンターにつなげる場面があったにもかかわらず、このときはクリスティアーノへのアプローチが甘くなりました。

失点のきっかけをつくってしまった責任を感じてか、中村憲剛は積極的に鋭いパスを前線に入れようとしますが、味方との呼吸が合わないなどしてなかなか奏功しません。後半25分までに3人の交代枠を使い切った川崎は、時間の経過とともに焦りの色がチーム全体に浸透してしまい、冷徹な判断が下せなくなり、ブロックを敷いた柏守備陣を前に手詰まりとなります。

その様子を見抜いてか、柏は相手をじらすようなパス回しでボールを保持。隙を見ては裏のスペースにボールを出し、スピード豊かな伊東純也や技術の高いクリスティアーノを使って追加点を奪おうとしました。

終盤に入ると今度は川崎陣内でボールをキープして時間を稼ぎ、より一層ホームチームを焦らせ、最終的に逃げ切りに成功しました。

結果、川崎はまたしても初タイトルへの道を阻まれてしまいました。奇しくも次のリーグ戦は柏との対戦です。90分でシュート3本に終わったこの試合の悪い流れをどう打開できるかが、タイトル獲得に向けて非常に重要になってきます。