オーストラリアがタイを下したため、この試合でワールドカップ出場を決めるためには絶対に負けられないサウジアラビアが相手、しかもアウェイという、中途半端な親善試合よりも格好のシチュエーションに対し、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はディフェンス陣をオーストラリア戦と同じにして、長谷部誠不在の中盤に柴崎岳、前線には本田圭佑、岡崎慎司、原口元気という前の試合でプレータイムの短い、もしくはプレーしなかった選手を送り込みました。

しかし、結果的にはハードワークを厭わなかった原口を除いて、フル出場できた選手はいませんでした。特に本田の現状はあまり芳しくなく、前半43分には自陣でミスを犯してピンチを招いてしまいました。

とはいえ決定機を生み出せたのは前半の方でした。とりわけ水分補給のための中断後、セットプレーからチャンスをつくります。前半33分にはナワフ・アルアビドに防がれはしましたが、柴崎のコーナーキックを昌子源が頭で合わせ、さらに前半40分には柴崎のフリーキックのこぼれ球を山口蛍が強烈なボレーで狙い、ゴールを襲いました。

流れの中でのプレーは、柴崎が岡崎に近いやや前目のポジションをとる形で中盤の選手が泥臭く守備で奮闘し、サウジアラビアが激しく詰め寄らないこともあってペースも握れていました。ただ、手数をかけない攻撃をしたいけれどもなかなかはまらないケースが多々見られました。

エンドが変わると、相手が全体的にギアを上げてきただけでなく、後半頭から投入されたフハド・アルムワッラドの個の力に翻弄されます。後半10分には長友佑都が振り切られ、シュートを打たれました。ここは川島永嗣が足で防ぎますが、後半18分にわずかなゆるみから中央を崩されてしまい、フハドに先制点を決められてしまいます。

リードを許した日本でしたが、リズムが悪く、次第に運動量が落ちて間延びしてきました。中東の暑さゆえの疲労、サウジアラビアに対しての日程面や移動距離での不利、モチベーションの差が徐々に出てきてしまいます。

反撃する力が弱いまま時間は流れ、終盤は吉田麻也が上がるなどしてパワープレーを試みるも、後半43分の久保裕也のシュート以外に目につくような場面はありませんでした。

必ず勝たなければならないわけではなかったので、この敗戦は深刻なものではないですが、欲を言えば今後を見据えて勝負強さをつけるためにもせめて同点で終えて、サウジアラビアに喜びを与えないことができれば、という試合でした。