局面を打開するには個の力が欠かせないとはいえ、サッカーはやはりチームスポーツなのだということをあらためて思い知らされた一戦でした。

神戸はルーカス・ポドルスキが後半3分に小川慶治朗のクロスに合わせて先制したものの、何度もボールを欲しがるしぐさを見せた元ドイツ代表を中盤でしきりにフォローするような選手がいないためにゴールを重ねることができず、ミスやファウルが原因で逆転負けを喫しました。記録によるとシュートの数はわずかに6。磐田の3分の1以下でした。

守備においてはセンターバックの不安定さが深刻で、前半24分には岩波拓也が自陣ゴール前でボールを失い、アダイウトンにループシュートを打たれてしまいました。ここは渡部博文がゴールラインの手前で弾き出して難を逃れます。渡部のプレーは明らかなハンドでしたが、幸運なことに反則は認められませんでした。

その後ブーイングを浴びせ続けられた渡部は、同点で迎えた後半31分に川又堅碁を倒してフリーキックを与えてしまい、これを松浦拓弥に沈められてしまいます。

さらに悪いことは重なり、後半44分には中坂勇哉が一発退場となってしまい、10人での戦いを強いられました。ここで選手が減ってしまうことがなければ、無暗に放り込まずにポドルスキを生かそうとしたアディショナルタイムの猛攻もひょっとすると実ったかもしれません。

逆に勝った磐田には急遽欠場となった中村俊輔の不在を感じさせない一体感がありました。全員が終盤まで足を止めることなく機敏に動き、判定に対するフラストレーションもうまくコントロールして冷静に戦っていました。名波浩監督の指示がチーム全体にいきわたり、選手がそれをしっかりと共有していたのかもしれません。