90分を通じて試合を支配していたのは、守勢に回っていた時間が長かった甲府の方でした。ただ単に低めにブロックをつくって待ち構えるのではなく、前後半の立ち上がりには前線から積極的にプレッシャーをかけにいくなどして、柏のペースを乱していました。

その戦いぶりに面食らったのか、インターナショナルマッチウィークによる中断があってリズムが崩れてしまったのか、個では伊東純也のドリブルや手塚康平の縦パスなどところどころでいいプレーも見られましたが、チームとして柏はなかなか勢いを持った攻撃を仕掛けられませんでした。

それは後半頭から伊東と武富孝介の位置を変えても変わらなかったため、下平隆宏監督はたまらず大津祐樹とユン・ソギョンを後半15分に同時投入してサイドの活性化を図ります。しかし、ユン・ソギョンが積極性を欠いていたこともあり、伝えたかったはずのメッセージが具現化されません。

後半35分にディエゴ・オリヴェイラが入ってようやく攻撃のスイッチが入り、甲府を自陣に釘付けにすることに成功。サイドからのクロスとディエゴ・オリヴェイラの強引なドリブルで決定的なチャンスまで至ります。ただ、後半39分のクリスティアーノのヘッドと後半43分の大津のシュートは、岡大生のファインセーブによって阻まれてしまいました。

最後は何が何でも勝ち点3を獲得すべく、ロングボールを立て続けに放り込みましたが、実りませんでした。下位チーム相手の取りこぼしによって、連勝は8で止まり、勝ち点1しか上積みできませんでしたが、2位のセレッソ大阪も引き分けたため、首位の座は守ることができました。