なでしこジャパンは最後まで気持ちの途切れないプレーを披露してくれました。見事な修正力を発揮したため、アルガルベカップでの対戦時の緩慢さはまったくありませんでした。特にボールを失ってからの攻撃から守備への切り替えが終始すばらしく、高い位置で阻止することでオランダに思うように攻め込ませない場面が多々見られました。

また失点パターンと化していた自陣での不用意なミスもほとんどありません。唯一あったのが前半44分の熊谷紗希のパスをカットされ、最終的にビビアネ・ミーデマにシュートを打たれたシーンです。しかしこれは山下杏也加の正面でした。

決勝点は菅澤優衣香に代わって入ったばかりの横山久美が後半17分に挙げます。中盤で阪口夢穂のパスを受けると、寄せてきたシェリダ・スピッツをいなして叩き込みました。ゴールしか見ていないといった力強い一連のプレーでした。

その後、後半26分にはシャニセ・ファン・デ・サンデンの右サイドからのクロスにリーケ・マルテンスが飛び込んで合わせるオランダ得意の形を見せましたが、山下の好セーブによって失点を免れます。

終盤、1点を返すため怒涛の攻めを仕掛けてきたオランダに対し、日本はペナルティエリアを固めて対応。なかなか攻めに転じることができず、コーナーキックのピンチも三度ありましたが、危なげなくしっかりと守り切りました。

こうしてアウェイの親善試合で会心の完封勝利を収めたことで、なでしこジャパンは久しぶりに上昇気流に乗っていきたいところです。次は1ヵ月後に開催される女子EUROでオランダと同組のベルギーとの対戦が控えています。