序盤こそ神戸の激しい守備からのショートカウンターに苦しめられる場面があったものの、渡邉千真に同点弾を決められるまではほぼ東京のペースでした。

前節の柏レイソル戦とは違って、大久保嘉人が川崎フロンターレ時代のように中盤まで下がってボールに積極的に関与し、最前線では前田遼一がファウルの判定に泣かされることなく空中戦を制していました。先制点はこの2人が絡んで生まれます。

前半14分、中盤で大久保嘉人が斜めに鋭いボールを出すと、前田がそれをダイレクトで送り、最後は永井謙佑が高々と浮かせたループシュートを決めました。

しかし、後半18分にキム・スンギュのロングキックを起点にした攻撃で、ウエスクレイのペナルティボックスへの進入を、PKになるのを恐れた森重真人が塞ぎきることができず、やすやすとマイナスのクロスを入れさせてしまい、渡邉のゴールを許してしまうと、流れは一気に神戸に傾きました。

劣勢を跳ね返して勝ち越し点を奪うため、事態の解決を図ろうと篠田善之監督は徳永悠平を入れて、4バックから3バックへと変更。両サイドの室屋成と太田宏介に高い位置をとらせようとしました。

ところが前方へのボールが雑になりがちでなかなかパスがつながらず、終盤になってようやく上がれた両サイドからクロスを入れようとしても、ピーター・ウタカが左右に流れるなどして真ん中に選手がいない、いたとしても小柄な中島翔哉だけという状況になりました。これならばターゲットになれる前田を残しておいた方がよかったかもしれません。

一方の守備に関しては、日曜日の反省を生かして逆襲を食らってもすばやい寄せで潰せていました。最悪、シュートを打たれても最後尾に構える林彰洋がファインセーブを連発して凌ぎます。

東京にとっては前の試合の反省が生かされた戦いではありましたが、勝ち点3をもぎ取るまでの修正には至りませんでした。