決勝への扉を開いたのは、谷口彰悟でした。まだ3バックを敷いていた前半11分、左サイドでマテウスに簡単に入れ替わられてしまい、ドラガン・ムルジャにシュートを打たれるピンチを招いた背番号5が、終盤の大事な場面で、再三得ていたセットプレーからゴールを奪いました。

試合のペースは完全に大宮でした。準々決勝で延長まで行ったにもかかわらず、出足は良く、運動量で川崎を圧倒。最後までそれは落ちませんでした。後半5分には江坂任のラストパスを受けた泉澤仁のシュートがポストを叩くなど、決定機をいくつかつくります。対する川崎は最終ラインを4枚に変えても、状況はなかなか改善せず、持ち味のパスサッカーを披露できずにいました。

それでも16分に戦列復帰した大島僚太が投入されてからは、ようやく縦への鋭いボールが入るようになり、チャンスと呼べるほどのものではないものの、ゴールへの道筋ができ始めました。さらに33分、恐れを知らないアタッカーの三好康児が送り込まれ、攻撃が活性化します。

そして40分、中村憲剛のフリーキックが塩田仁史にセーブされるも、これで得たコーナーキックを起点に得点が生まれます。一旦は横谷繁がクリアしたものの不完全になり、そのボールをエドゥアルドが頭で前に送ると、谷口が落下点に入り込み、飛んで合わせました。大宮の選手はオフサイドと思ったか、一瞬、足が止まっていました。

最後はサイドに開いて時間を使いつつ大宮のパワープレーを凌ぎ、1対0で逃げ切りに成功しました。これで初のタイトルまであと一歩のところに迫りました。

吹田で待ち受ける相手は鹿島アントラーズ。過密日程で選手のやりくりが苦しい中でも準決勝で盤石の戦いぶりをして横浜F・マリノスを退けた、川崎にとってはチャンピオンシップ準決勝で苦汁をなめさせられたチームです。相手にとって不足はないでしょう。今季最後の、そして新年一発目の好勝負となることを期待したいと思います。