立ち上がりからアグレッシブに入った川崎は、前半20分に田坂祐介のクロスに大久保嘉人が突っ込んで先制すると、8分後にはエウシーニョのミドルシュートが決まって難なくリードを広げます。

その後も前半の川崎は東京を圧倒。点差こそ2点でしたが、パスワークが冴え、守備ではチョン・ソンリョンを中心とした堅い守りが安定していました。対する東京は中島翔哉が一人気を吐くばかりで、チームとしてはあまり形はつくれていませんでした。

ところが後半になると、勝ち上がるためには点を取るしかない東京が前への圧力をかけ始めました。それに押された川崎は、全体的に引き気味となり、一時は中盤の選手が最終ラインに吸収されるほど苦しい状況に追い込まれました。

こうなるとカウンターに活路を見出すことになり、実際に何度も逆襲を仕掛けました。ただ、数的優位の絶好のチャンスがたびたびありながら、なかなかシュートまでいききらないため、相手ゴール付近で中途半端にボールを奪われては反撃を食らうという、疲労度が濃くなるサッカーをしてしまいました。

しばらくして、どうにかエドゥアルド・ネットや大久保がシュートを打つようになって盛り返しますが、大久保のシュートが惜しくもポストを叩くなど、とどめを刺すには至りません。

結果、アディショナルタイムに小川諒也のフリーキックを平山相太が合わせ、1点差に詰め寄られました。東京は途中交代が見事にはまった格好です。

それでも以降の東京の攻撃が同点を目指す割には猛攻というほどでもなく、思ったよりも淡白だったのにも助けられ、キープをしながら逃げ切りに成功します。

川崎が最終的に勝ち切れた要因は、タイトルへの飢え、でしょう。リーグタイトルを惜しくも逃したことの悔しさ、そして風間八宏監督体制の集大成にあたるシーズンで結果を出したいという思いが、選手を突き動かしているように感じます。ゴール裏に陣取ったサポーターの熱量も、東京のそれを凌駕していました。

次は大宮アルディージャとの準決勝です。直近のリーグでの対戦では、シーソーゲームの末にダメージの大きな逆転負けを喫しただけに、ここで借りを返して、大阪へ歩みを進めたいところです。