過去2戦の反省を踏まえてか、鹿島はキックオフと同時に前線の4人が一斉に走り出すなど、序盤から前への意識を強く出してきました。前半18分にはフランコ・アルマーニにセーブされはしましたが、柴崎岳が抜け出してシュートを放ちました。

とはいえ、試合を優位に進めていたのは、フィジカルの強さを見せて押し込むナシオナルでした。11分にはマテウス・ウリベが、22分にはミゲル・ボルハがゴールを狙い、いずれも曽ヶ端準が阻止。24分にはジョン・モスケーラのシュートがバーを直撃、さらにオルランド・べリオが押し込もうとしましたが、昌子源がギリギリのところでクリアしました。

劣勢に立たされていた鹿島にチャンスが訪れたのは、31分のことでした。28分の柴崎のフリーキックの際、エリア内で西大伍がべリオに体をぶつけられた後、足を引っかけられていたため、VARによりPKの判定となったのです。これを土居聖真がきっちり決めて先制します。

ビハインドとなったナシオナルは、変わらず攻め続け、一瞬たりとも気の抜けない時間が続きますが、鹿島もコーナーキックから植田直通が頭で合わせて脅かすなど、追加点を奪うチャンスはつくれていました。

後半になると、石井正忠監督が積極的に動きます。これまでは後半15分くらいを目途にしていたのを、それより少し早いタイミングで金崎夢生を投入、13分には中盤の守備で奮闘していた小笠原満男を下げて、守備能力の高い永木亮太を入れました。 

その後はやや雑になってきたとはいえ攻め込むナシオナルに対し、鹿島はカードは切ったものの我慢を強いられる展開はあまり変わりませんでした。しかし、鹿島に攻撃に出る余力がなくなっていったかに見えた終盤の38分、柴崎のクロスをアルマーニが止める前に遠藤康が懐に収め、ヒールキックでやさしくゴールに蹴り込みました。

とどめは40分。1分前にピッチに足を踏み入れた鈴木優磨が、金崎のGKとDFの間を狙った絶妙なクロスに合わせてフィニッシュ。例のごとく、といってもかなり力が入った状態で、クリスティアーノ・ロナウドのゴールパフォーマンスをまねてみせました。

結局、このまま試合は終わり、鹿島は準決勝を突破。リーグ戦終盤の4連敗が嘘のように、チャンピオンシップの勢いそのままに決勝にまで駆け上がりました。日本勢初のファイナル進出は、ヨーロッパと南米の王者だけで覇権が争われていたトヨタカップからの長い歴史を考えると非常に感慨深いものがあります。