後半5分、エミリアーノ・タデのフリーキックに合わせたキム・デウクのヘッドが決まった時は、このまま鹿島が敗退するのではないかという嫌な予感が芽生えました。それほどまでにJリーグチャンピオンの出来は散々だったのです。

高い位置からプレッシャーをかけ、試合の入り自体は悪くなかったようでしたが、ボールも人もペナルティエリアへの進入が少なく、金崎夢生のようにがむしゃらにゴールに向かって突っ込んでいく選手もいないため、攻撃の迫力、怖さがほとんど見られませんでした。前半25分の岩田卓也のトラップミスから生まれたチャンスで遠藤康がシュートを放った場面以外は、チャンスらしいチャンスはありません。

しかし、失点して追い詰められたことで選手にもベンチにも危機感が生まれ、積極性を取り戻します。石井正忠監督が後半9分に赤崎秀平を、18分に金崎を入れて前線を活性化させると、エリア内に入る選手の数が増えるようになり、22分には同点弾が生まれました。右サイドから崩して、遠藤からのリターンパスを受けた永木亮太がマイナスのパスを送ると、フリーになって待ち構えていた赤崎がそれに合わせてゴールネットを揺らしました。

また金崎投入に伴って小笠原満男が悔しげにピッチを去り、柴崎岳が左サイドハーフからボランチにポジションを変えたことで、攻撃にリズムが出てきました。やはりサイドは居心地が悪かったようで、それまでミスが多かったのが嘘のように、中央に位置取ることで配球が冴え渡りました。

完全に流れを取り戻した鹿島は43分、山本脩斗のクロスを土居聖真が叩き付けるヘッドで折り返すと、金崎が頭で合わせて逆転に成功しました。みずから招いた苦戦をどうにか勝利に結び付けることができました。

初戦に勝ったことで過密日程突入が確定しましたが、そこを乗り越えて戦い抜いてほしいものです。