前半27分、数的有利のカウンターで小林悠のミドルシュートが大きく枠を外れた9分後、大久保嘉人が頭突きをしたとして一発退場。そして42分、チョン・ソンリョンが家長昭博との1対1で犯したファウルでPKを献上してしまい、完全に自滅モードに入ってしまった前半でした。

守勢に回ると1人足りない分、スペースができて苦しくなる中で、それでも川崎は決して攻めの姿勢を失わず、後半18分には高い位置でボールを奪ってから中村憲剛の気迫のこもったシュートが決まります。さらに36分には小林がゴールを奪って逆転に成功しました。逆転弾を放った小林のそばには中村も詰めていて、カバーに入っていた奥井諒と2対1の局面をつくっていました。

このまま年間首位の意地を見せて試合を終わらせられれば、久々の連勝にもなり、理想的でしたが、残り10分ほどになったところで勝ち点3が見えてきて力尽きたか、川崎の選手の運動量が急激に落ちます。10人で戦い続けた疲労は相当なものだったのでしょう。その緩みを突かれて、わずか5分間で家長と江坂任のゴールを許してしまいました。特に江坂の勝ち越し点は谷口彰悟のトラップミスを家長に取られ、逆襲を食らうという痛恨の失点でした。これで2ndステージの首位からは陥落。3位に落ちてしまいました。

この試合では、大久保の退場を呼び込み、エドゥアルドを押して江坂のゴールを一度は幻のものとし、タイムアップ後には激高した横谷繁が云々…という話がありますが、そこをどうこう言っても逆転負けの結果は変わりませんし、そういう試合をものにしてこそ王者への道に繋がるはずなので、もやもやを引きずることなく前に進むしかありません。なにしろ次は、大久保とエドゥアルド・ネットを出場停止で欠く中で、2ndステージ好調の横浜F・マリノスとの神奈川ダービーを戦わなければならないのです。