強豪国であるスウェーデンが、密集していて堅牢な4-1-4-1のブロックを敷いて戦い続けたのを見て、もしや女子サッカーのトレンドが変わるのではないかとさえ思い始めました。先月、なでしこジャパンを苦しめたロッタ・シェリーンが、コソバレ・アスラニが労を惜しまずディフェンスに力を注いでいたのです。

前半、マルタを中心に多彩な攻撃を仕掛けながらなかなか崩せなかったブラジルは、後半に入ると裏へのボールに頼る単調な攻撃になってしまい、スウェーデンの思う壺になりました。執拗で粘り強く、バイタルエリアを狭くした守備を嫌がって、そうなったのでしょう。

結果的に120分を通じてブラジルに33本のシュートを浴びはしましたが、決定機と呼べるものはほとんどなく、あえて挙げるならば前半23分のデビーニャのヘッドくらいでした。それ以外は今大会序盤の男子のブラジル代表のように枠をとらえないシュートや、コースが甘く、ヘドビグ・リンダールにキャッチされるものばかりでした。それほどまでにスウェーデンの守りが固かったのだと言えます。

そして、スウェーデンはただ守り続けるだけではありませんでした。時には鋭利なカウンターを繰り出し、ブラジルゴールを脅かしました。だからこそディフェンスの時間が長くなっても苦ではなかったのです。攻撃の中心にいたのは、やはりシェリーンでした。

スコアレスドローで延長が終わった時、手応えを感じていたのはスウェーデンの方でしょう。その勢いがPK戦での勝利を手繰り寄せたと言っても過言ではありません。準々決勝で世界女王のアメリカを退け、今度は大声援の後押しを受けていた開催国を敗退に追いやった力は本物です。

金メダルを懸けた最後の戦いの相手は、難敵ドイツです。直近の対戦は昨年の女子ワールドカップラウンド16で、この時は1対4で敗れています。通算の対戦成績もスウェーデンの7勝18敗と分の悪い相手です。それでも堅守を武器に勇敢なリアリストとして戦ってくれるはずです。