メキシコ五輪以来となるメダル獲得のために大事な初戦は、後半50分に鈴木武蔵のゴールが決まり、4対5とスコアの上では惜しい敗戦となりました。たとえるならば、2013年に同じブラジルの地で行われたコンフェデレーションズカップの日本代表を彷彿させるような戦いでした。

日本が奪った4得点はPK獲得に至ったプレーを含めて、すばらしい形で生まれました。直前にマナウス入りしたナイジェリアのコンディションに問題があったとはいえ、ブラジル戦の不出来を考えれば随分と改善されています。また、大会前にアフリカ勢と親善試合をこなしてきた甲斐があったとも言えます。

特に2対2の同点に追い付いたゴールは、中島翔哉、興梠慎三、大島僚太と渡り、大島のスルーパスを受けた南野拓実が冷静にエマニュエル・ダニエルの股の間を通して決まりました。キックオフから一度もボールを奪われずに10本のパスを繋いで入った、非常に日本らしい崩しからのゴールです。

また、3点のビハインドを背負っていた時の浅野拓磨のゴールも、室屋成のスローインからボールを繋いで、中島のパスを受けた藤春廣輝のクロスに浅野がテクニカルに合わせたものでした。

ただ、ファーストステージ突破のために得失点差を詰める意味でゴールを重ねたとはいえ、我慢をするはずの肝心のディフェンスが崩壊してしまっては、それもあまり意味をなしません。遠藤航をアンカーに置き、守備時には4-1-4-1となる4-3-3の形を採りながら、浅野が入る後半8分までに4失点を喫しました。開始6分でサディク・ウマルに奪われた先制点を除けば、いずれもディフェンスのミスから生まれたものでした。

興梠のPKで追い付いた直後の11分の失点は、シェフ・アブドゥラヒのクロスに室屋がかぶってしまい、オグヘネカロ・エテボに易々と通してしまったものでしたし、しばらく膠着状態が続いた後の42分のゴールは、塩谷司のウマルへの対応が軽率になり、最終的には植田直通のクリアがエテボに渡って許してしまいました。

さらに後半開始早々に与えたPKは、室屋と塩谷がお見合いのような形でウマルの突破を簡単に許してしまい、その後、塩谷がエリア内でファウルを犯してしまったことによるものでした。

そして、点を取るために浅野を入れて4-4-2にした後のナイジェリアの決勝点は、日本のパスが慎重になり、全体的にスピードが遅くなったところをジョン・オビ・ミケルに奪われてしまい、そのクロスに対して飛び出した櫛引政敏のクリアがエテボに渡ってダイレクトで決められました。

こうしてミスが続出してしまったのは、アジア最終予選の後に守備陣に負傷者が続出したことが少なからず影響したと言えるでしょう。チームの土台となる守備が予期せぬ形で崩れてしまったわけですが、こればかりはどうしようもありません。

とにもかくにも次のコロンビア戦で、我慢のサッカーを貫いて勝てるかどうかが重要になりました。この試合のように打ち合い上等というわけにはいきません。それではアルベルト・ザッケローニ体制のフル代表が陥ってしまった状態と同じです。今の日本がそういうサッカーに活路を見出すのは厳しいでしょう。