ディフェンシブな選手を中心に負傷者を多く抱えており、台所事情の苦しい広島でしたが、磐田相手に3対0と手堅い勝利を収めました。

前半は磐田の中央の守備が固く、アンカーの丸谷拓也にボールを入れられない展開が続く中、両翼の清水航平と柏好文を使い、サイドを制圧して試合を優位に進めました。

前半5分には柏のクロスをアブラアム・パパドプーロスがクリアし、こぼれ球をピーター・ウタカがシュート。ここは大井健太郎がゴールライン上での懸命のブロックでゴールを許しません。

続く7分、清水のクロスが流れ、柏に渡ると、切り返してシュートを放ち、浅野拓磨がコースを変えるも志村滉がセーブ。さらに柴崎晃誠がやや苦しい体勢ながらゴールを狙いますが、志村がキャッチします。

広島はサイドからの攻撃を繰り返していくうちに先制点を奪います。19分、柏のクロスをウタカがパパドプーロスと競りながら落とし、柴崎がそれを豪快にダイレクトで打ち抜きました。

さらに32分には清水のパスをスルーした柴崎がウタカのパスを受けると、左足アウトサイドを使ってゴールに流し込みました。ボールは志村の股間を抜けていきます。

対する磐田は、パパドプーロスや中村太亮らがサイドからしきりにクロスを入れるも、林卓人に防がれてしまい、決定機には至りませんでした。

エンドが変わり、磐田は選手の位置を高くして、広島の最終ラインでのゆっくりとしたボール回しをさせないようにしていきましたが、前年王者は動じることなく、引き続きサイドを生かしながら、中央もうまく使って得点の機会をうかがいます。

すると後半20分、柏の技ありのパスを受けた浅野がドリブルを開始してカウンターを発動。一旦、佐藤寿人に預けてリターンをもらった浅野がシュートを打つも、志村に防がれます。しかしこぼれ球を最終的にはウタカが押し込み、理想的なダメ押し弾となりました。

その後の広島はきっちり守りを固めつつ、攻撃の手も緩めません。29分、浅野からボールを受けた宮吉拓実のシュートはクロスバーを直撃。32分、43分にはウタカがゴールに迫りましたが、あと一歩シュートには結び付きませんでした。

逆に磐田にはチャンスらしいチャンスをつくらせずに試合は終了。危なげなく勝ち点3を獲得しました。