タイムアップ直後、鹿島の選手達は喜びを爆発させるというよりは、むしろ安堵の表情を浮かべていました。チャンピオンシップ出場権を獲得したものの、1stステージ制覇は年間優勝するための通過点にすぎないという思いが強いのでしょう。

試合はプレッシャーなく、のびのびプレーする福岡が右サイドを崩すなどして躍動していましたが、時間の経過とともに鹿島がペースを握るようになります。

前半16分には山本脩斗がドリブルで切れ込んでシュート、26分には遠藤康が西大伍のスルーパスを受けて、左足アウトサイドを使ってシュートを放つも、いずれもイ・ボムヨンに阻まれます。

それでも遠藤のシュートによってもたらされたコーナーキックを柴崎岳が蹴り、走り込んだ山本が頭で合わせ、鹿島が先制します。勝てば文句なしで優勝できるため、この得点で重苦しい空気が吹き飛びました。

37分にはカウンターから柴崎のクロスが流れたところを遠藤が拾って、金崎夢生に預けると、金崎がダニルソンを外してクロスを入れ、土居聖真が合わせて2対0とします。

福岡が頼りにしていたウェリントンはブエノ、植田直通の両センターバックがきっちり抑えます。うまくいかないウェリントンは、31分にアシスタントレフェリーに向かって苛立ちのジェスチャーを見せると、39分には小笠原満男を胸で突いてしまいます。その後、ウェリントンはハーフタイムにロッカールームに下がる際、小笠原と和解しようと歩み寄っていました。

後半は福岡が3点目をやるまいと守備から入ったこともあってか、見せ場の少ない45分でした。互いの好機をあえて挙げるとすれば、福岡は後半8分、古部健太のマイナスのクロスに城後寿が合わせに行った場面。鹿島は21分の杉本太郎のシュートシーンくらいでした。

30分を越えると暑さの影響か、両チームとも全体的に重たくなってきました。こうなると2点のリードはセーフティとなり、鹿島はアディショナルタイムに突入すると、この試合をもってチームを離れるジネイ、青木剛をピッチに送り出す余裕が生まれました。

無事、6連勝を飾った鹿島は、逆転で1stステージ優勝を成し遂げました。このポジションを譲る気はさらさらないようなので、鹿島を中心とした年間優勝争いはまだまだおもしろくなりそうです。