連戦を考慮したメンバー構成になったガンバに対し、鹿島は出足よく、がむしゃらに鋭い攻撃を仕掛けてきました。前半11分には、遠藤保仁が中村充孝に引っ張られてガンバの選手の動きが止まったところ、遠藤康が強烈なミドルシュートを放ちました。ここは東口順昭がセーブして難を逃れます。

ペナルティエリア内で転倒した丹羽大輝の負傷離脱というアクシデントにも見舞われたホームチームは、開始早々の長沢駿のミドル以降、シュートまで行けない展開が続いていました。

ようやくチャンスをつくったのは、41分。カウンターでキープしていたアデミウソンのパスを受けた藤本淳吾が左足を振り抜き、ボールはクロスバーを直撃しました。曽ヶ端準は一歩も動けませんでしたが、ゴールには至りません。

後半に入ってからも、元横浜F・マリノスのコンビが鹿島ゴールを脅かします。5分には藤本のリターンパスを受けたアデミウソンがシュート。21分には反対にアデミウソンがフリーの状態で逆サイドを駆け上がる藤本を見逃さずにパスを供給。この時の藤本の狙いすましたシュートは曽ヶ端に防がれてしまいました。

攻撃に力を入れるため、この直後にはエースの宇佐美貴史が満を持してピッチに登場。新スタジアムでの初めての公式戦を勝利で飾るべく態勢を整えます。

ところが先制したのは鹿島でした。24分に同時投入されたカイオと鈴木優磨がガンバゴールを破ったのです。

投入から3分後、すばやいスローインの流れからカイオ、西大伍、金崎夢生とダイレクトで繋がり、ボールは再びカイオのもとへ。カイオは右サイドから山なりの柔らかいクロスを入れ、それに対して鈴木が今野泰幸、米倉恒貴に競り勝ってヘッド。東口は懸命に反応しましたが、間に合いませんでした。

得点を奪ったことでアウェイチームは勢いづき、ガンバ陣内で試合を進めます。必然的に宇佐美もディフェンスに回らざるを得なくなりました。

流れを変えたい長谷川健太監督は、ピッチを幅広く動いていたアデミウソンに代えて、最後のカードとして倉田秋を送り込みましたが、同点に追い付くことはできませんでした。46分には藤本のCKに米倉が頭で合わせるも、枠をとらえきれません。

公式戦3試合を終えて、いまだ勝ちなし。エンジンがかかるのはまだのようです。