昨年発売予定だったはずがずれ込んでしまい、今月発売となった3巻。少なくとも2ヵ月遅れとなった一冊は、全9話、マドリッド五輪の日本対オランダを最後まで収録したボリュームたっぷりのものとなりました。

大空翼のオーバーヘッドでのパスを受けた三杉淳のオーバーヘッド、日向小次郎のジャンピングタイガーボレー、そして翼と岬太郎のジャンピングボレーでのツインシュートと、空中からの派手で豪快なシュートがオランダのゴールネットを次々と揺らす試合でしたが、決勝点となった2点目のゴールは意外とシンプルな形で生まれました。

若林源三が起点となったカウンターで石崎了がオーバーラップを仕掛け、ライツファーをかわしてマイナスのクロス。それに対して日向がクゥーマン、ダビィを引きつけ流れたボールを、フリーの翼が頭で押し込んで決めました。『キャプテン翼』にしては、かなりリアリティのある、現実的な形での得点でした。おそらくオランダにとっては石崎の仕掛けがあまりにも予想外だったのでしょう。

交通事故で命を落とした亡き兄の思いも背負って戦うブライアン・クライフォートの存在は、日本にとって引き続き脅威でした。ただ、先制点以降の決定機は、対応が難しい無回転シュートが若林の正面だったことを考えると、後半開始早々の至近距離からのスパイラルジャンピングボレーしかありませんでした。しかもここはSGGKの読み勝ちで、ピンチを免れることができました。

後半8分のツインシュートでスコアを4対1とし、試合を決定づけたあとの40分弱の時間は、ビハインドの大きさにオランダが萎えてしまったのかわずか4ページにまとめられ、タイムアップを迎えました。翼のコンディションが100%ではない中でも、日本強しと印象づけるのに十分な快勝でした。

勝点3を獲得した日本の次なる相手は、こちらも初戦でナイジェリアを下したアルゼンチンです。「2016年発売予定!!」の告知を信じて楽しみに待ちたいと思います。