準決勝第2試合は、北原佳奈、中村楓を中心に最後の最後まで耐え抜いた新潟が、ベレーザを退けて決勝行きのチケットを獲得しました。

耐えたといっても決して守ってばかりではなく、たびたびチャンスをつくっていました。前半5分には阪口夢穂のパスを山田頌子がカットして右サイドに展開。再び山田に戻るとクロスを上げ、これが村松智子に当たってこぼれると、山崎円美が頭で繋ぎ、最後は大石沙弥香がトラップしてシュートを放ちました。

そして6分後の11分、上尾野辺めぐみのFKから先制します。ファーサイドで左山桃子と田中美南が競ったあとのボールがさらに外にいた岩清水梓に当たり、それに反応した大石が押し込んで決めました。

以降の新潟は、豊富な運動量で人数をかけてしぶとくパスコースを消し、簡単にはベレーザに攻め込ませない守備を徹底して行いました。

しかし34分、上辻佑実のFKを岩清水が頭で落として中里優が頭で繋ぐと、田中がトラップしたボールに対して中里が寄せてきて豪快に同点弾を叩き込みました。岩清水の頭が今度は得点に結び付きました。

これで勢いづいたリーグ王者は、阪口夢穂も上がりを見せるなど、前に圧力をかけてきました。新潟はかなり押し込まれてしまい、最終ラインで何とか凌ぐ形になりました。

さらに攻勢に出たいベレーザは、後半開始時に清水梨紗を下げて左サイドハーフに長谷川唯を投入。上辻を左から右に移して、中里を右SBにコンバートしました。

ロングボールを織り交ぜながら、中盤でボールを収めて攻める相手に対し、新潟は両サイドのMFを含め、ラインが必然的に低くなりました。パスも苦し紛れになりがちで、しばらくは我慢の時間が続きます。

後半の終盤になって、ようやく攻めの形ができてきます。後半34分、大石が狙いを定めて原菜摘子からボールを奪って山崎に渡し、山崎は右を走る上尾野辺にラストパスを供給。打ちやすい位置にボールを動かして狙った上尾野辺のシュートはやや力なく、山下杏也加にキャッチされます。

さらに43分、ゴール前のこぼれ球を山崎がスライディングで上尾野辺に預け、上尾野辺がコースを狙ったシュートを放ちます。これも山下に止められてしまいました。

試合は1対1のまま動かず、延長に突入しますが、互いに決定機をほとんどつくれないまま30分が経過。勝者を決めるためにPK戦で決着をつけることになりました。

新潟はここまでチームを牽引してきた二人目の北原、三人目の上尾野辺が失敗するも、若き守護神、福村香奈絵が三本ストップ。見事なセービングで最後までディフェンスの粘り強さを見せ、4日後の決勝進出を果たしました。