最初の15分は完璧でした。前半2分の武藤雄樹のヒールシュートに始まり、9分の李忠成のスライディングシュート、13分には永田充のロングフィードを起点に宇賀神友弥、李、槙野智章と繋ぎ、柏木陽介が押し込んだすばらしい崩しからのフィニッシュに至るまで、攻守にわたって神戸を圧倒しました。

いきなり3点のビハインドを背負った神戸は、たまらず3バックの中央を務めていた北本久仁衛を下げ、ボランチの前田凌佑を投入。チョン・ウヨンを北本のいたポジションに下げたほどです。これで多少落ち着きを取り戻したアウェイチームは、徳重健太の好守もあって4点目を許しません。

すると26分、中盤で粘って武藤を振り切った石津大介が渡邉千真とのワンツーを決め、コースを狙ったミドルシュートを決めました。まだ点差があったため、石津の喜び方はとても控えめでした。

以降は決定機こそ生まれなかったものの、柏木が前後左右にボールを巧みに動かしてリズムをつくり、浦和が主導権を握った状態で前半を終えました。

ところが後半はハーフタイムで目を覚ました神戸が積極的に出ていきます。後半3分には、森岡亮太の丁寧なパスを受けた石津が槙野をかわして強烈なシュートを放ちます。ここは西川周作がセーブして難を逃れました。

その後しばらくは互いにサイドからのクロスに活路を見出そうとしますが、なかなかシュートには結びつかず、スコアは動きません。

動いたのは20分、森岡が永田からボールを奪取し、フリーになって難なくシュートを決めました。浦和にとっては序盤には想像だにしなかった状況に陥りました。

思わぬ形で1点差に詰め寄られると、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は武藤を下げて、青木拓矢を送り込み、柏木をシャドーの位置に上げました。ただ、30分に加賀健一が負傷離脱したため、その際に柏木は再びボランチに下がります。

32分、青木、柏木、そして加賀に代わって入った梅崎司で田中英雄を囲い込んでボールを奪い、李からのパスを受けた青木がフィニッシュ。再び2点差に突き放すゴールが生まれました。アクシデントもありましたが、指揮官の交代策がはまった形です。

とどめは39分。ズラタン・リュビヤンキッチが粘ってチョン・ウヨンと田中を振り切ると、柏木、李と渡り、最後は梅崎がボールを転がして勝利を確実にする1点を決めます。

一時は追い詰められかけましたが、交代出場した選手達がチームに大きく貢献し、結果的には5対2と完勝しました。次なる相手、ガンバ大阪とのチャンピオンシップ準決勝に向けて弾みのつく一勝となりました。