立ち上がりから積極的に出てきた浦和に前半11分、14分と柏木陽介、武藤雄樹に立て続けに決められて出ばなをくじかれた東京でしたが、16分に米本拓司のスルーパスを受けた東慶悟が槙野智章のタックルを振り切り、角度のないところからシュートを決めて反撃ののろしを上げます。

マッシモ・フィッカデンティ監督は、当初の4-3-1-2から4-4-2、さらには高橋秀人を最終ラインに下げ、浦和と同じ3-4-2-1へとシステムを変えて、両サイドを含めた浦和の強力な攻撃陣をケアしにかかります。

それでもシステムを変えている中で、27分に関根貴大に粘られゴールを許してしまいます。前半は1対3で折り返す形となりました。

後半に入るとフィッカデンティ監督が7分に中島翔哉、15分に松田陸を送り込み、松田の投入の際には徳永悠平を3バックの一角に移し、高橋を再びボランチの位置に戻して攻撃の意思を強くします。

しかし加点したのは浦和でした。17分、東京陣内の中央寄りの位置でボールを受けた槙野が上がり、武藤、ズラタン・リュビヤンキッチと繋ぎ、槙野がフィニッシュ。東京はゴールに向かって前に出た槙野をつかまえきれませんでした。

中島、東、そして前田遼一を中心に攻める東京が2点目を奪ったのは、残り15分を切ろうかという時間でした。左サイドで一旦手詰まりになりかけましたが、太田宏介のクロスにフリーの高橋がヘディングでゴールを決めたのです。

浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、精力的に動いていた両サイドを代え、フレッシュな梅崎司と平川忠亮を入れて活性化を図りました。対する東京は、徳永を下げて林容平をピッチに送り出し、4バックに戻してさらに前線に圧力をかけます。

すると39分、太田のCKを高橋が阿部勇樹に背中をつかまれ、体勢を崩しながらも気持ちで押し込んで1点差とします。 

ホームで何としてでも勝ち点を奪いに来た東京の勢いは止まらず、浦和は完全に守勢に回りました。そんな中で槙野が自陣の深い位置で中島を引き倒すシーンもありましたが、ファウルにはなりません。その直後、50分には東と中島が連続してシュートを放つも、西川周作に阻まれてしまいました。

猛攻も及ばず、試合は3対4で浦和が乱戦を制しました。この結果、東京はこの日試合のなかったガンバ大阪との勝ち点差を広げることができず、年間3位の座が危うくなってしまいました。