ともにモチベーション高く入ったレギュラーシリーズ最終節の前半は、枠をとらえた際どいシュートこそ少なかったものの、ゴール前での激しい攻防が見られました。

前半39分には大野忍と高瀬愛実が高畑志帆、北川ひかると2対2の状況になりますが、大野のシュートは高畑がブロックし、続く高瀬のシュートは威力が弱く、池田咲紀子が難なく正面でキャッチしました。

逆に浦和は42分、柴田華絵が自陣からのドリブルでカウンターを仕掛け、最後は猶本光がクロスを上げるもゴールラインを割ってしまいます。

INACは後半15分の段階で伊藤美紀に代えて、川澄奈穂美を投入。攻撃への圧力をかけにいきました。その川澄のプレーで得たCKが2回続き、2回目は中島依美の鋭いストレート系のボールに澤穂希が頭で合わせましたが、ボールは枠の外に飛んでいきました。

22分から23分にかけては、高瀬、中島、川澄が立て続けにミドルシュートを放ちます。いずれも枠をとらえられず、工夫のない攻撃が続いてしまい、焦りの色が見えてきました。勝ち点1差の日テレ・ベレーザが下位のスペランツァFC大阪高槻相手に取りこぼす可能性は低いことを考えると、レギュラーシリーズを勝ち取るためにゴールが欲しいという気持ちが先走ったのかもしれません。

その後も右サイドの川澄を中心に攻め込みますが、浦和守備陣に阻まれ、決定機さえつくれません。交代出場のチャン・スルギ、仲田歩夢も効果的な働きができないまま時間が流れていきます。特に41分に入った仲田は残された時間が少なかったためか、自分に与えられた役割の重さにやや空回りしているように見えました。

またアディショナルタイムには田中明日菜のパスを吉良知夏にセンターサークルの中でカットされ、岸川奈津希、白木星と繋がれてしまいました。田中が戻ってシュートこそ阻止しましたが、一気にペナルティエリアまで持ち込まれてしまいます。

結局、1点を求めた懸命の攻撃も実らず、INACは2試合連続のスコアレスドローに終わりました。前節は山根恵里奈の好セーブに阻まれたがゆえの結果でしたが、今回は焦りが出たことによる引き分けでした。これで6対1で圧勝したベレーザにレギュラーシリーズ優勝を明け渡してしまいます。中断明けは、奇しくも上位リーグ進出の5チームとの対戦となったわけですが、2勝2分1敗というエキサイティングシリーズに不安を残す結果になってしまいました。