試合が動いたきっかけは、副審の判定のめまぐるしい変化でした。

前半32分、最初はキム・チャンスのオフサイドの判定になっていたのが、ゴールキック、CKへと旗の向きが変わっていったのです。どうやらエデルソンのパスと思われたシーンが、実は宇佐美貴史がボールをつついていたという理由で柏のCKとなった模様。しかし、オフサイドの旗が上がっていなければ、オ・ジェソクがクリアできた可能性もあっただけに、ガンバの選手がナーバスになってしまってもおかしくないところでした。

このCKからの一連の攻撃を凌ぐと、ガンバは一気にカウンターを発動。パトリックから倉田秋へとボールが渡り、倉田はスピードに乗ったドリブルで周囲を見ながら次の一手を考えます。そしてペナルティエリア付近に到達したところで、ファーサイドへのクロスを選択します。そこにはフリーの阿部浩之が待ち構えており、阿部は落ち着いてかつ豪快に左足を振り抜き、ネットを揺さぶりました。負けたくないという意思の表れか、序盤は両チームとも動きの少ない試合でしたが、これで試合の流れが激しくなります。

先制点が入った2分後の36分、再び阿部がゴールを奪います。ペナルティエリアの前で近藤直也がボールコントロールを誤ったところを逃さず拾って、フィニッシュを決めたのです。キム・チャンスの横パスが少しアウトにかかって近藤が受け辛かったのもガンバには幸いしました。 決まった後、菅野孝憲はボールを思いきり蹴って怒りをあらわにしました。

その後はガンバがチャンスをつくりつつもしっかりとディフェンスを固め、柏がそれを攻略できないまま前半を終えました。

劣勢に立たされた吉田達磨監督は、ハーフタイム明けにエデルソンを下げて太田徹郎を投入し、右サイドにいた工藤壮人をセンターに配します。

すると後半8分、工藤が今野泰幸に倒されたとして、柏がPKを獲得。クリスティアーノがこれを確実に決めて1点差にされてしまいます。

それでも7分後、ガンバが突き放します。岩下敬輔のサイドチェンジを起点にボールを動かし、米倉恒貴がドリブルでサイドラインを駆け上がります。背後にはクリスティアーノがぴったりついていましたが、体をうまく使ってあきらめさせました。そして倉田とのワンツーを成功させ、パトリックに預けると、パトリックはすぐうしろにいた宇佐美に落とします。宇佐美のシュートは右のポストを直撃してゴールに吸い込まれていきました。

以後は24分の工藤のシュートを東口順昭が防ぎ、28分のパトリックのシュートがクロスバーを豪快に叩くなど、両チームにチャンスが生まれるもスコアは動きません。終盤になると倉田、宇佐美、パトリックを下げ、相手にシュートを打たせない守備をしてうまく試合を終わらせ、ガンバは5連戦の初戦を見事に飾りました。