試合が動いたのは前半11分でした。工藤壮人が神戸DFを引き付け、フリーのエデルソンにやさしいパスを送り、新加入のブラジル人ストライカーがシュートを決めました。

その後は柏のパスワークが冴え、試合の主導権を握ります。23分には一旦、岩波拓也にボールを奪われますが、すぐさま秋野央樹が奪い返して、大谷秀和、工藤、エデルソンと繋いで、最後はクリスティアーノが力強いシュートを放ちました。ここは山本海人の好セーブにあって、2点目とはなりませんでしたが、神戸を自陣に釘付けにするには効果的な攻撃でした。

しかし時間の経過とともに、レイソルのリズムが悪くなり、バイタルエリアでパスが繋がらなくなると、神戸が盛り返してきます。40分には森岡亮太が巧みなボールコントロールから高橋峻希に渡すと、そのままハーフウェイラインからドリブルで持ち込んで、ペナルティアークの手前で鋭いシュートを打ちます。ここは菅野孝憲がセーブして逃れました。

ハーフタイムを挟んでも神戸の優勢は続き、後半2分に渡邉千真がターンして秋野をはがしてシュート、4分には高橋峻希のリターンパスを受けた森岡のシュートがサイドネットの外側を揺らしました。

さらに13分には、レアンドロとの1対1こそ鈴木大輔が阻止しましたが、クリアボールを拾われて、三原雅俊、森岡と渡り、最後は石津のシュートがポストを叩くという危ないシーンも見られました。

柏は中央を固め、最後のところは神戸に自由にやらせないディフェンスを続けるも、攻撃への切り替えがうまくいかず、シュートまで持っていけなかったため苦しい時間が続きました。吉田達磨監督がエデルソンに代えて武富孝介を、小林祐介に代えて茨田陽生を入れてテコ入れするも、状況はなかなか好転しませんでした。

そこで最後のカードとして山中亮輔を投入しようと準備していた27分、クリスティアーノのクロスをチョン・ウヨンが跳ね返したボールを輪湖直樹が収め、左足を振り抜くとボールはクロスバーをヒットしてゴールラインを割りました。押し込まれて苦しかったチームを救う値千金の追加点でした。

リードを広げたことでレイソルは息を吹き返し、プレスもかけられるようになりました。前線ではクリスティアーノが躍動し、30分、36分とゴールを狙っていきました。

アディショナルタイムには一転してヴィッセルの波状攻撃にさらされるも、体を張って防ぎます。レアンドロのシュートには3人が身を投げ出し、鈴木がブロックに成功。さらにレアンドロのヒールパスを受けた三原がゴールを狙いますが、コースを切りに行った柏の選手が気になったか、クロスバーの上を越えていきました。

また、48分のレアンドロのミドルシュートも菅野がキャッチします。その後は中盤と最終ラインでボールキープをして逃げ切りに成功しました。全体的には耐える時間帯が多かったゲームながら、集中したディフェンスが光り、完封勝ちを収めました。