関東地方の梅雨明けが宣言された19日、『キャプテン翼』のイベントが東京ドームシティホールで催されました。

当初の予定では開場してしばらくしてからフラッと行って、一通りのぞいて帰るつもりでいましたが、その目論見は入場前に覆されました。係員によって入場規制がかけられており、入口前には何度も折れている長蛇の列ができていたのです。

それでも列の進みが悪くなかったので、並んでみました。列に並ぶ人々を見ると、『キャプテン翼』全盛期に夢中になった父親が、サッカー好きな、あるいはサッカーをしていると思しき少年を連れている姿が目立ちました。中には、大空翼が所属するバルセロナやアーセナル、ミラン、FC東京のレプリカを着ている男の子達もいました。

待つこと約30分、ようやくホール内に入ることができました。そして再び裏切られました。

イベントのオフィシャルサイトでは、アリーナで行われるアトラクションとそれを2つクリアしてできるロボキーパー若林源三とのPK対決、さらにはキッズを対象としたサッカースクール、ステージでのトークショー、抽選会くらいしか事前に紹介されていませんでしたので、ほかには何もないイベントだと思っていたのですが、そうではありませんでした。親子連れが多いだろうという運営側の予測のもと、さまざまな展示やゲームなどがアリーナの外のバルコニーで展開されていました。

キッズ向けには、地下3階で縁日のようなコーナーが設けられ、石崎了の顔が描かれたたくさんの的を射ぬく「顔面ブロック射的」や「翼くんヨーヨー釣り」、「ピンポイントパス輪投げ」などがあり、にぎわっていました。

一方、大人向けには原画や懐かしのグッズ展示が用意されていました。原画はファーストシリーズを中心に飾られていて、ガラスケースの中には作品序盤、翼が高い丘の上からボールを蹴って、若林の家に「ちょうせん状」を送りつけるところまでのカラー原画が抜粋されて展示されていました。

懐かしのグッズは画用紙やキッズ向けの簡単なジグソーパズル、塗り絵、文具セット、それに「ガッツがたりない!」でおなじみのファミコン用ゲームソフトのパッケージとカセットなどが見られました。入口でもらった『イベントガイド』によると、「高橋先生所有のレアグッズ」だったそうです。

メインのアリーナに用意されたステージでは、高橋陽一先生や前園真聖ほかによるトークを一部見ることができました。その中で高橋先生が『キャプテン翼』のキャラクターを現在の日本代表選手に置き換えると誰が誰にあたるかという質問に答える場面があり、「若林くんは川島選手、日向くんは本田選手……」と続き、最後に「岬くんはイケメンなので内田選手」と話していました。

この岬=内田説は何だかしっくりきました。そういえば『Number PLUS スポーツマンガ最強論』で、表紙を飾っていたのが翼と内田篤人のツインシュートでした。あの合成がはまっていたのは、作り手の努力もさることながら、人選がマッチした結果なのでしょう。

そしておそらく今回のメインと思われるのが、ネットニュースでも取り上げられているパチンコ『CRキャプテン翼』の展示です。しかし展示自体は地下1階で思ったよりはひっそり行われていました。サッカーにちなんでか11台並んでおり、大人達がその演出を食い入るように見ていました。

無料にしてはなかなか見どころ、遊びどころの多い楽しいイベントでした。パチンコのストーリーに入っていなさそうな『ワールドユース編』以降の展示もたくさんあれば言うことなしでした。いずれにしても、この盛り上がりを受けて連載中の『キャプテン翼 ライジングサン』がさらにおもしろく、活気づくことを期待しようと思います。