3位の座を賭けた一戦は、イングランドが延長後半にPKを決めて勝利を収めました。

この試合、イングランドは3バックを採用し、高い位置からプレスをかけるのではなく、ドイツの攻撃を凌ぐことを優先したスタイルをとりました。

それでも序盤はドイツがチャンスをつくります。前半1分、自陣からボールを繋ぎ、左サイドのサラ・デブリッツがクロスを上げると、レナ・ペーターマンがフリーの状態で頭を合わせました。これはカレン・バーズリーがセーブして事なきを得ます。

8分にはビアンカ・シュミットのヘッドでの折り返しに対し、ジョー・ポッターとバーズリーの連係ミスが起こるも、キャプテンのステフ・ホートンがゴールライン手前で懸命のクリアをして逃げ切りました。

以降もセリア・シャシッチやデブリッツがシュートを放つも、ディフェンスに人数をかけたイングランドはゴールを許しませんでした。

後半に入ってからしばらくもドイツの攻勢が続きました。8分、ポッターのクロスが不完全になったところをシャシッチが拾い、体勢を整えてからクロスを上げました。ゴール前にうまく入り込んだデブリッツがダイレクトで合わせましたが、バーズリーがセーブしました。

ドイツの集中砲火を浴びていたイングランドが盛り返したのは、後半30分を過ぎてからでした。31分、最終ラインからのロングボールに抜け出したルーシー・ブロンズが受け、途中出場のエニオラ・アルコ、ジル・スコットと繋いでチャンスが生まれました。ジル・スコットはシュートを打ちきれず、再びアルコ、カーニーへと渡り、カーニーのクロスにジル・スコットが飛び込むも枠をとらえられません。

イングランドを率いるマーク・サンプソン監督は流れが来たと感じたのか、35分にケイティ・チャップマンに代えてFWのリアン・サンダーソンを送り込み、システムを4-4-2に変えました。

それでもゴールは生まれず、延長戦へと突入します。

延長前半はともにCKからのシュートチャンスがあったくらいで、決定機と呼べるビッグチャンスは生まれませんでした。

ゲームが動いたのは延長後半1分。ルーシー・ブロンズのスローインを受けにターンして走ったサンダーソンを、タベア・ケメが倒したとしてPKの判定が下りました。キャプテンを務めるナディネ・アンゲラーら、ドイツの選手は執拗に抗議しますが認められません。

キッカーを任されたファラ・ウィリアムズは、アンゲラーの逆を突いた強烈なシュートを決め、イングランドが待望の1点を奪います。

すると7分、ウィリアムズを下げてケーシー・ストーニーを送り込み、イングランドは再び3バックに戻します。ここからはアルコも守備に奔走し、ホートンを中心とした堅い守備で逃げ切りを図ります。

1点が欲しいドイツは相手ゴール前での10分のアーニャ・ミッタークのFK、そして11分にはアレクサンドラ・ポップのクロスをシュミットがフリーで合わせる場面がありましたが、どちらも生かしきれません。

結局、イングランドの守備がドイツを勝り、3位という好成績で終えることとなりました。