これまで突破力のある選手に苦しめられてきた日本でしたが、マノン・メリス、リーケ・マルテンスにいい仕事をさせずに抑え、2対1で準々決勝進出を決めました。

序盤は負けられない、負けたくないノックアウトラウンドということで、両チームとも慎重な立ち上がりでした。そんな中でなでしこジャパンが最初のビッグチャンスを生かします。

前半10分、鮫島彩のスローインを起点に、熊谷紗希、鮫島、宮間あや、大野忍と繋ぎ、宮間がリターンパスを受けると、スピードに乗った状態でクロスを上げます。中央で相手DFを振り切った大儀見優季が頭をひねってシュートを放つもクロスバーを直撃しました。こぼれたボールに対し、メレル・ファン・ドンゲンが不完全なクリアをすると、そこに待ち構えていたのは有吉佐織でした。有吉は右足を振り抜き、鋭いシュートがサイドネットを揺らしました。この有吉の攻め上がりは3分と同じような形でした。

その後も日本はボールが転がりにくく止まりやすい人工芝の上で躍動。しきりにシュートを狙っていきます。

21分、宇津木瑠美から、阪口夢穂、川澄奈穂美と展開し、大儀見がDFを引き連れたおかげでできたスペースにポジションをとった宮間に川澄がラストパスを供給。宮間はそれをダイレクトで打ちました。

続く22分には、宮間がオーバーラップしてきた鮫島に預けると、鮫島は大野とのワンツーに成功。鮫島は浮き球に対して左足を合わせました。

24分にも阪口の縦パスを大野が落とし、川澄がペナルティアークからシュートを放ちました。

いずれも枠をとらえられはしませんでしたが、なでしこらしさ全開のサッカーを披露します。

対するオランダはレンジの長いパスを出していくものの、世界トップクラスのドイツに比べれば精度は低く、なかなか決定機には結びつきません。このまま前半を1対0で折り返します。

後半、あとがなくなったオランダがやや攻勢に出てきて、8分にはカナダ戦で貴重な同点弾を決めたキルステン・ファン・デン・フェンがピッチに送り込まれました。

その後は一進一退の攻防が続き、決定機も少なく、スコアは動きませんでしたが、31分にこの試合最大のピンチがなでしこに訪れました。CKのボールが阪口の頭に当たって流れたところ、ボールが鮫島のすねに当たり、あわやオウンゴールという場面。ここは海堀あゆみが右手一本で防ぎます。しかしこのこぼれ球にフリーのファン・デン・フェンが反応してシュートを放ちます。強烈なボールでしたが、阪口がゴールエリアでブロックしました。

ピンチのあとにはチャンスが巡ってきました。33分、阪口が高い位置でボールを奪い、川澄が途中出場の岩渕真奈に繋ぎます。岩渕から大儀見へのパスは少し流れてしまいますが、ボックス内に走り込んだ宮間にヒールパスを送ります。宮間は冷静にマイナスのボールを出すと、岩渕がスルーして、最後はペナルティアークの中で阪口がコースを狙い、追加点を奪いました。残り時間を考えると、少し安堵できるようないい時間帯での得点でした。

2分後、佐々木則夫監督は、川澄に代えて澤穂希を入れ、宇津木をアンカーに置く4-3-3にシステム変更して中盤を厚くしました。

一方、オランダはさかんにシュートを打ち、さらに41分にMF登録のテセル・ミダフを送り込み、最終ラインを1枚削って3バックに変えてきました。

すると47分、有吉との空中戦を制したファン・デン・フェンのヘッドを海堀がまさかのキャッチミス。ボールはゴールネットに到達して1点差に詰め寄られます。オランダは息を吹き返し、ゴール前にすばやくボールを送ります。幸い48分の混戦は、海堀が倒れ込みながらボールを押さえ、難を逃れました。

その後も粘り強く守った結果、辛くも逃げ切ることができました。とりあえず準々決勝まで駒を進められて一安心といったところです。次はブラジルを破ったオーストラリアです。この大舞台でアジアのライバルには負けるわけにはいきません。きっちり買って、7試合戦えるようになるようにと願います。